“わる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワル
語句割合
悪63.6%
惡18.3%
凶5.7%
不良1.9%
醜1.9%
悪漢1.3%
怯0.8%
悪党0.8%
悪者0.8%
惡者0.8%
非0.4%
割0.2%
患0.2%
不可0.2%
不快0.2%
不正0.2%
兇0.2%
冷遇0.2%
悪侍0.2%
悪化0.2%
悪武士0.2%
悪質0.2%
疾0.2%
病0.2%
笑0.2%
粗0.2%
腐0.2%
邪0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可也(かなり)皮肉な出来事であつたからで、気の小さい、極(きま)り悪(わる)がり屋の彼は、何(ど)うかして甘(うま)くそれを切りぬけようと、頭脳(あたま)を悩ましてゐた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
考(かんが)へて見(み)りやあ生身(なまみ)をぐつ/\煮着(につ)けたのだ、尾頭(をかしら)のあるものの死骸(しがい)だと思(おも)ふと、氣味(きみ)が惡(わる)くツて食(た)べられねえツて、左樣(さう)いふんだ。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すべてのものの結末は寂しい! たとへそれが善い事であれ、凶(わる)い事であれ、最後には必ず溜息が伴はれるではないか?
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「自分じゃ何(な)んともおもっていないんですけれど……それに別に何処(どこ)が不良(わる)いということがないんでございますが……。」
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
どこが好(いい)と明らかに指すことが出来れば、どこが醜(わる)いということもまた明らかに指すことが出来る、すでに醜い所を指すことが出来ればそれでもほれると云う理は無い。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
殊(こと)に一人では出来ないがと思って居る処へ、土手の甚藏という男、是は新吉と一旦兄弟分に成りました悪漢(わる)。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
幡随院長兵衛が、水野の邸に行くやうに、父は怯(わる)びれもせず、悪魔が、下す毒手を、待ち受けてゐるやうだつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
それからあの女は金もうけが好きで、ひどい高利で貸しつけてはどしどし殖(ふ)やしていることも、情け容赦もない悪党(わる)の詐欺師だって話も聞いていた。
これは私が悪う御座りました、ではお乗せ申ませう、お供を致しませう、さぞお驚きなさりましたろうとて悪者(わる)らしくもなく提燈を持かゆるに、お関もはじめて胸をなで
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ではお乘せ申ませう、お供を致しませう、嘸お驚きなさりましたろうとて惡者(わる)らしくもなく提燈を持かゆるに、お關もはじめて胸をなで、心丈夫に車夫の顏を見れば二十五六の色黒く
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それがある点(とこ)がうき世をいつたものじやないの。そりや銀さんは、あたしを不人情者とも、不貞腐(ふてくさ)れとも思つておいでだろう。もとよりあたしが非(わる)いんさ。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
桶(をけ)の穴(あな)より入れさするに安五郎忝(かたじ)けなしと何心なく饅頭(まんぢう)を二ツに割(わる)に中に少(ちひ)さく疊(たゝみ)し紙ありければ不審(ふしん)に思ひ披(ひら)き見るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
割(わる)ではないか有體(ありてい)に申せよと如何なる惡人(あくにん)とても成丈(たけ)吟味の上にも吟味致さるゝこそ有り難けれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お夕飯のとき、ほんのぽつちりしか召上りませんでしたもの。今日はあなたどこかお加減でも患(わる)いのぢやないかと私、氣にしてを
「赤いお部屋で泣いたので、患(わる)くなつたと思ひますわ。でもきつと直(ぢ)きよくなつてよ。」
底あり蓋(ふた)ありで親も咎(とが)めず、夫(をつと)も咎めぬものをアカの他人(たにん)が咎(とが)めても、ハイ、止(よ)しませうと出る筈(はず)のない事だが僕(ぼく)とても内職(ないしよく)其(その)ものを直々(ぢき/″\)に不可(わる)いといふのではない
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
「君は喰わず嫌いだよ。会って見もしないで悪くいう奴(やつ)があるもんか。一度会って見ろ、決して不快(わる)い気持はしない、極(ごく)捌(さば)けた男だよ、」
……それが代がはりのたんびに、田なら田賣つて税にしてたんでは、終(しまひ)には身代が無いやうになるがな。……身代なんて不正(わる)いもんやさかい、無いやうにしてやろちうんなら、こら別やけんど。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ただ兇(わる)い予感がしきりに彼を脅かしつづけた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
善吉も今日ッきり来ないものであると聞いては、これほど実情(じつ)のある人を、何であんなに冷遇(わる)くしたろう、実に悪いことをしたと、大罪を犯したような気がする。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
……女で怨みを買ったことも、金で怨みを受けたことも、これ迄の俺にはなかったはずだ。……覆面姿から推察(おしはか)ると、こいつら辻切りの悪侍(わる)共かな? しかしそれにしては弱いわるだ。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「父には以前から、股に刀傷がございましたが、弱り目に祟り目とでも申しましょうか、乱心しますと一緒に、悪化(わる)くなり、とうとう躄者(いざり)に……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これでどうやらこの俺も、一人前の悪武士(わる)になったらしい。アッハハ、面白いなあ。どうせ浮世は思うようにはならない。したい三昧を
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つまり、古い伝統を持った旧家の納谷家から、三種の悪質(わる)い伝統の遺物が取り去られたのであった。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
伏原の案内した家も、船宿構えの静かな家で、店には小女と眼の疾(わる)そうな老婆しか居なかった。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
目の病(わる)い娘(こ)なのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惜(を)しい女(をんな)に服粧(みなり)が惡(わ)るいなど哄然(どつ)と笑(わる)はれる、思(おも)へば綿銘仙(めんめいせん)の糸(いと)の寄(よ)りしに色(いろ)の腿(さ)めたる紫(むらさき)めりんすの幅(はゞ)狹(せま)き帶(おび)、八圓(ゑん)どりの等外(とうぐわい)が妻(つま)としては是(こ)れより以上(いじやう)に粧(よそほ)はるべきならねども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白麻地や絽や手編みレースやモスリンレースなどのやうな贅沢な織物から、もつと丈夫な粗(わる)い袋布のやうなものまで、皆な此の麻で造るのだ。棉の木からは木綿で出来た織物が取れる。
「漁師(りょうし)に頼んどくといくらでも拵(こしら)えて来てくれますよ。何なら、帰りに持っていらっしゃいな。姉さんが好きだから上げたいと思ってたんですが、ついついでが無かったもんだから、それにすぐ腐(わる)くなるんでね」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
偽印というものは、巧くとも拙(まず)くとも、そこに邪(わる)い意志があるでな。すぐわかるもので、これは稚拙というても、そういう拙さではないですな。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)