“にく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
38.1%
24.3%
18.0%
11.5%
4.1%
1.1%
筋肉0.4%
0.3%
憎悪0.3%
0.3%
肉体0.3%
二句0.1%
牛肉0.1%
獣肉0.1%
肉塊0.1%
肉類0.1%
肉體0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
魚肉0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野を焼くをにくむ発想に到らないはずはない。「今日はな焼きそ」の一種叙事詩化した以前、既に幾多の怨み歌が出てゐたに違ひない。
土部つちべ浜川はまかわ、横山——にくらしや、三郎兵衛、憎らしや、広海屋ひろうみや——生き果てて、早う見たい冥路よみじの花の山。なれど、死ねぬ、死ねぬ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「いえ」と女中は言ひにくさうに一寸膝の上を見つめた。「はなはだ申し兼ねますが、乃木さんのお手紙を二本ばかし戴かれますれば……」
かへるにくべにはちをくはへてはうんできますが、そのちひさなかへるにくについたかみきれ行衛ゆくゑ見定みさだめるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
アポロン琴を彈じ歌をうたひてこれに勝ち、その僭上をにくむのあまりこれが身の皮を剥ぐ(『メタモルフォセス』六・三八二以下參照)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
聖母のわがあだし心を懷けるをにくみ給はむかとあやぶみ、聖母に向ひて罪を謝し、あはれなる子に慈悲の眸を垂れ給へと願ひき。
吃驚びっくりするほど筋肉にくの引き緊った犬というのも見たが、なかなか良い犬であった。それから一行はクリミヤ産の牝犬を見に行った。
「蘇我臣入鹿深く上宮の王等の威名いきほひなあり、天下に振ふをにくみて、独り僭立せんりつを謀る。」等の言葉が書紀にみえる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
それを御本家では平素しじゅう憎悪にくんでいるということでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(六四)君子くんしをはりてしようせられざるをにくむ。(六五)賈子かしいはく、『(六六)貪夫たんぷざいじゆんし、(六七)烈士れつしじゆんし、(六八)夸者くわしやけんし、衆庶しうしよ(六九)せいたのむ』
この一句いつく二句にくは、『つきむかしつきにあらぬ。はるむかしはるならぬ』といふのがほんとうなのです。うたでなく普通ふつう文章ぶんしようなら、さうかねばとほりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
一句いつく二句にく景色けしきは、西行さいぎようにそのつよちからのあることがうかゞはれます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「三田さんは御酒でしたね。牛肉にくですか、かしわですか。かしわの方がいゝでせう。ぎうは臭くていやだねえ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
敬太郎がどんな味がすると聞くと、森本はよく思い出せないが、何でも魚肉さかな獣肉にくの間ぐらいだろうと答えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、こんなときに犬どもを滅多打ちに打ち据えて、拳の下に肉塊にくふるえを感じたいという欲求が、むらむらっと込みあげて来た。
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
食料品たべものより以外ほか肉類にくを一切置いちゃイケナイってえ規則になっているんだッてさあ……だからね……折角せっかくここまで来ているのをホントにお気の毒でしようがないけど
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あなたの肉體にくの一つ/\の原子げんしは私にとつて大事なものです。苦しんでゐても、病んでゐても、大事なものです。あなたの心は私の寶です。そしてこはれても矢つ張りそれは私の寶です。
ハハハハハ、お前を前に置いてはちと言いにくい話だがナ。実はあの猪口は、むかしおれが若かった時分、アア、今思えば古い、古い、アアもう二十年も前のことだ。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
左の第二指に出来た水ぶくれが痛んで音を出しにくい。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
およぜいつとめ、ところけいするところかざり・しかうしてにくところ(八五)めつするをるにり。かれみづか其計そのけいとせば、すなは其失そのしつもつこれ(八六)きはむるかれ。
そこへ塩気しおけがつく、腥気なまぐさっけがつく、魚肉にく迸裂はぜて飛んで額際ひたいぎわにへばり着いているという始末、いやはや眼も当てられない可厭いやいじめようで、叔母のする事はまるで狂気きちがいだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)