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嫉
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にく
ふりがな文庫
“
嫉
(
にく
)” の例文
鴎外は甘んじて死んだ。予は決して鴎外の敵たる故を以て諸君を
嫉
(
にく
)
むものではない。明治三十三年一月於小倉稿。(明治三十三年一月)
鴎外漁史とは誰ぞ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
聖母のわがあだし心を懷けるを
嫉
(
にく
)
み給はむかとあやぶみ、聖母に向ひて罪を謝し、あはれなる子に慈悲の眸を垂れ給へと願ひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
小屋
(
こや
)
で
卯平
(
うへい
)
が
鹽鮭
(
しほざけ
)
を
燒
(
や
)
く
臭
(
にほひ
)
を
嗅
(
か
)
いでは一
種
(
しゆ
)
の
刺戟
(
しげき
)
を
感
(
かん
)
ずると
共
(
とも
)
に
卯平
(
うへい
)
を
嫉
(
にく
)
むやうな
不快
(
ふくわい
)
の
念
(
ねん
)
がどうかすると
遂
(
つひ
)
起
(
おこ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「多くの人は
吾
(
われ
)
に対して悪を施さんと欲す。同時に吾の、彼らを目して凶徒となすを許さず。またその凶暴に抗するを許さず。
曰
(
いわ
)
く。命に服せざれば汝を
嫉
(
にく
)
まんと」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とうとう互に
嫉
(
にく
)
み合う元素が
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
▼ もっと見る
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
自分と一族とを
赦免
(
しやめん
)
して貰ひたい。それから西組
与力見習
(
よりきみならひ
)
に
内山彦次郎
(
うちやまひこじらう
)
と云ふものがある。これは首領に
嫉
(
にく
)
まれてゐるから、保護を加へて貰ひたいと云ふのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
自分は器量好しが二人寄って、我知らず互に
嫉
(
にく
)
み合うのだろうと説明した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
有信は旗本伊沢の家に妾腹の子として生れた。然るに父の正室が妾を
嫉
(
にく
)
んで、害を
赤子
(
せきし
)
に加へようとした。有信の
乳母
(
にゆうぼ
)
が
懼
(
おそ
)
れて、幼い有信を抱いて麻布
長谷寺
(
ちやうこくじ
)
に逃げ
匿
(
かく
)
れた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“嫉”の解説
嫉 (しつ)(sa: īrṣyā、イールシヤー)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
嫉み。自分だけの利益や世間の評判(名聞利養)を希求し続けると、人の栄達等を見聞きすると深い嫉妬を起こすようになる。そのような心の状態を嫉という。妬み深い人はこの心を増長しやすい。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
嫉
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
“嫉”を含む語句
嫉妬
嫉妬深
嫉妬心
嫉妬家
嫉視
媢嫉
大嫉妬
嫉妬焼
嫉悪
嫉妬男
嫉妬喧嘩
嫉刀
嫉刃
嫉妒
嫉刄
憎嫉
怨嫉
嬌嫉
憤嫉
嫉転
...