“嫉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねた62.2%
17.0%
そね11.7%
にく3.5%
ねたま1.7%
1.3%
ねたみ0.4%
そねみ0.4%
ねたまし0.4%
ねたむ0.4%
やき0.4%
やっ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聞いてみれば、父の重左衛門は同じ家中の師範役、成瀬権蔵、大川八右衛門、広瀬軍蔵というもののねたみを受けて殺されてしまった。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その後中也は娘のことなどく色すらも見せず、要するに彼は娘に惚れていたのではなく、私と友達になりたがっていたのであり
二十七歳 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
熊「ヘンそねめ、おたんちん、だがな八公、若大将にゃア気持が悪くなるてえことよ、阿魔でれ/″\しアがって、から埓口らちくちアねえ」
鴎外は甘んじて死んだ。予は決して鴎外の敵たる故を以て諸君をにくむものではない。明治三十三年一月於小倉稿。(明治三十三年一月)
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
邪推深い目付でうかがい澄していた源のことですから、お隅の顔の紅くなったのが読めすぎる位読めて、もうねたましいで胸一ぱいになる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しばらく、物く、たく、しかも陽気な世の中が自分にまみえた。自分は娯しい中に胸迫るものを感じ続けて来た。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
やはらいだ感情、寂しいと思ふあこがれ、よこしまねたみとがもつれあつた偏執へんしふ。これ等のものが一しよになつて彼の涙腺に突き入つたのか。彼は詞もなく泣いた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
世の誚と云ふのは、多くはそねみ、その証拠は、働の無い奴が貧乏しとればあはれまるるじや。何家業に限らず、かねこしらへる奴は必ず世間から何とか攻撃を受くる、さうぢやらう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こういう罪もない御話をむつまじそうになすっていらっしゃるところへ、旦那様も御用を片付けて、御二階から下りておいでなさいました。見る見る旦那様の下唇にはねたましいという御色があらわれました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一度ひとたび大河に少女の心うつるや、皆大河のためにこれを祝してあえねたむもの無かりしという。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
困るんでさ、まったく、私ときたら、男のくせにやきもちやきでね。……まあ、お寄んなさいな。寄らなければいい。こんど、お友達のお鈴さん、小枝さえださん、みな様がお買い物にみえたら、たんとお喋舌しゃべりを
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
云うまでもなく、二人の仲をやっかんだ上での仕業だったでしょうが、それからと云うものは黒笄の逆立ちを、お祖母さまは何よりも怖れられたのです
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)