“や”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
12.0%
11.5%
9.8%
6.1%
4.1%
3.0%
2.7%
2.7%
2.7%
2.1%
(他:2409)43.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何、遠慮えんりょをしねえで浴びるほどやんなせえ、生命いのちが危くなりゃ、薬をらあ、そのためにわしがついてるんだぜ、なあ姉さん。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょッとなわゆるめてからパッと引くと訳ないのですが、それをやると、ひどく皆からおこられ、何遍なんべんでもりなおしです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
「源助、時に、何、今小児こどもを一人、少し都合があって、お前達の何だ、小使溜こづかいだまりったっけが、何は、……部屋に居るか。」
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにしても、この私とてもおなじようにせ、まして、壊血病になやみながらこの老巨獣を、抱きあげられたことはなんといっても不思議であった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
脳が悪いのではないかとも思われ、私はこの子を銭湯に連れて行きはだかにして抱き上げて、あんまり小さく醜くせているので、さびしくなって
ヴィヨンの妻 (新字新仮名) / 太宰治(著)
とお言いになると、恥じて顔をおそむけになる宮のお姿が可憐かれんであった。顔がすっかりせて物思いに疲れておいでになるのが上品に美しい。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
「どうしました。例の変り種は」と自分が聞いて見ると、父は苦笑いをして「実は朝貌もあまり思わしくないから、来年からはもうめだ」と答えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつら (やがて砧の手をやめる)一晌いっときあまりも擣ちつづけたので、肩も腕もしびるるような。もうよいほどにしてみょうでないか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
軽くせなをさすられて、われうつつになる時、むね、天井の上とおぼし、すさまじき音してしばらくは鳴りもまず。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、一行は尻をたたいてこのを出たが、婆さん一向いっこう平気なもの、振向いてもみない。食物しょくもつ本位の宿屋ではなかったと見える。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ただ向うに見える一点の灯火ともしびが、今夜の運命を決するひとであると覚悟して、寂寞せきばくたる原を真直まっすぐに横切った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
磴たるや、山賊の構えたいわおとりで火見ひのみ階子はしごと云ってもいい、縦横町条たてよこまちすじごとの屋根、辻の柳
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それであるから爲替相場かはせさうばあが道程だうていおいては不景氣ふけいきむをない現象げんしやうであつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
でも私は散文的で濫読らんどく家で、詩にも歌にも俳句にも没頭し切れず全身的な注意と情熱で小説へ還って行ったのはむを得ないことであった。
どうか諸君も共に、この文明的運動の新手あらてとなって我々の働きに一臂いっぴの力を添えられんことを我輩は希望してまぬ(拍手大喝采)。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
作「ウーン、それだけだな、己はもうこれで五十を越してるんだから百両で二十両になるのなら、こんな首は打斬られても惜くもねえからるべえか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
詮索好きの君は、あの当時、よく僕の教室へ来て誰が、何のために出して、どういう意味があるだろうかと、色々推定をってきかせてくれたものだ。
闘争 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
られまいとして、産毛うぶげの生えた腕を突張り大騒ぎってみるが、到頭られて了い、又其処らを尋ねて、ほかの乳首に吸付く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
るもらぬも、うわさはな放題ほうだい、かぎのおせんならでは、けぬ煩悩ぼんのう
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ろうそくとしより夫婦ふうふは、かみさまのばちたったのだといって、それぎり、ろうそくをやめてしまいました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
軽くせなをさすられて、われうつつになる時、むね、天井の上とおぼし、すさまじき音してしばらくは鳴りもまず。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そいつが友吉親子の顔を見知っていたので、それとなく貰い下げて追い放した奴を、外海そとうみで待伏せていた配下の奴がったものに違いないね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「む、む。絶好な場所だ。そうしよう。……だが呂範、もし母上と玄徳と対面中に、母上が、彼の人物を見て心にそまぬようだったら、すぐってくれ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「忙牙長は敵の馬岱と渡り合って、ただ一刀に斬られてしまいました。いったい、どうしてあの隊長があんなもろられたのか訳がわかりません」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「吾輩はここの教師のうちにいるのだ」「どうせそんな事だろうと思った。いやにせてるじゃねえか」と大王だけに気焔きえんを吹きかける。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤くって、黒くって、せていて、湿しめっぽそうで、それで所々皮がげて、剥げた中から緑青ろくしょうを吹いたようなが出ている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人の事は云われないが、つれの男も、身体からだつきから様子、言語ものいい、肩のせた処、色沢いろつやの悪いのなど、第一、屋財、家財
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そは我が歌ひて半に至りし時、老女の絲繰る手やうやく緩く、はては全くみて、暗き瞳の光は我面を穿うがつ如く、こなたに注がれたればなり。
私は向い合った妻に乳をやれと合図をしますと、妻も肯いて立ち上ったのでありますが、其の立ち上った瞬間、隣室の子供が不図泣きんだのであります。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
たとえば、そよそよと吹く風の、いつ来て、いつんだかを覚えぬがごとく、夕日の色の、何のときに我がそでを、山陰へ外れたかを語らぬごとく。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大神はその言葉ことばに従って、天若日子あめのわかひこにりっぱなゆみをお授けになって、それを持たせて下界へおくだしになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
どんどんあめのように射出いだてきの中をくぐりくぐり、平気へいきかおをしててきせいの中へあるいて行って
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
するとかぶとほしけずって、そのうしろのもんの七八すんもあろうというとびらをぷすりとぬきました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
八月八日はやはり朝から晴れ渡っていた。赤い雲すらも今日はもうけ尽くしたのであろう、大きい空は遠い海をみるようにただ一面に薄青かった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そんな風な、なさけないおもいに胸をいためていた古谷局長の眼にさっきからきついて離れない二号艇の底にころがっている一つの手首があった。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
女たちが示した嬌態きょうたいや叫び声の強烈な印象が、眼にも耳にもなまなましくきついていて、それが神経をかき乱し、血をわきたたせた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
どちらにしても、みほおけた骨格を想像していた北原にとっては、むしろこれは、容貌瀟洒ようぼうしょうしゃというに近いほど、こなれている人だ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お師匠さんは、私の言葉に、小さな声で左様なら、と、お答えになりましたが、よほど、おつむりめていましたものか、そのまま、お稽古台の上に
むまじき事なりおとろふまじき事なりおとろへたる小生等せうせいらが骨は、人知ひとしらぬもつ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
いがぐりあたまにさらしながら、なみだひかって、たまとなってけたかおうえはしりました。
泣きんぼうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きにつけ、しきにつけ、影身かげみいて、人知ひとしれず何彼なにかとお世話せわいてくださるのでございます。
代々だいだい陶器とうきいて、そのうちしなといえば、とお他国たこくにまでひびいていたのであります。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
貫一はほとほと疑ひ得らるる限疑ひて、みづからも其のぼうすぐるの太甚はなはだしきを驚けるまでに至りて、始てめんと為たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それからしばらく書くのをめていたが、やっぱり書かずにはどうしてもいられないような気がしたので、わざわざ山の中に隠れては書いて来た。
T—は長いあいだ無駄に月謝を納めている大学の方をいよいよめて、好きな絵の研究を公然やり出そうかというようなことを、毎日考え込んでいた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ソファの傍には、の鉢植、むかしのままに、ばさと葉をひろげて、乙彦が無心に爪で千切ちぎりとったあとまで、その葉に残っている。
火の鳥 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ソフアの傍には、の鉢植、むかしのままに、ばさと葉をひろげて、乙彦が無心に爪で千切ちぎりとつたあとまで、その葉に残つてゐる。
火の鳥 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
國「実にこんなお嬢さまはない、親孝行で、おとっさんのお達者の時分にはツ九ツまで肩をさすったり足を揉んだりして、実に感心致します」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
元気なのは、れ三味線を借りて来て爪弾つめびきをしているし、皮膚の青白いのは、もう夜のものかずいで、壁に向って寝こんでいる。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がらりと、あるという名ばかりのれ戸をあけて、小屋のうちへ足を入れてみると、これでも潮風をしのいで人の寝るには足るだけの備えがあります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我はをさなかりしとき寫しつる畫など取り出でゝ、み館にもて往き、小尼公に贈るに、しばしはそれもて遊び給へど、幾程もあらぬにり棄て給ふ。
文士劇でよくる菊池寛氏の“父帰る”の舞台を見ると、ぼくはあの劇中の父親を、自分の父の姿に擬して、当時のわが家をいつも思い出すのである。
二番目が八犬伝の赤岩一角あかいわいっかくの猫退治で二幕、それから桂川連理柵かつらがわれんりのしがらみの帯屋から桂川の心中までをった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
「もう直ぐ出て来るから、うまくれよ」と、こっちから黄色い外套の同志がややふるえ声で云った。興奮にふるえているのだった。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
淡島氏の祖の服部喜兵衛は今の寒月から四代前で、とは上総かずさ長生ちょうせい郡のさん(今の鶴枝村)の農家の子であった。
青山あおやま兵営の裏手より千駄せんだくだる道のほとりにも露草つゆくさ車前草おおばこなぞと打交うちまじりて多く生ず。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この頃の御感想は……私はこの言葉を胸にくりかえしながら、雑司ぞうしの墓地を抜けて、鬼子母神きしぼじんのそばで番地をさがした。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
澁紙しぶがみ色にけてさへゐなければ、顏立も尋常ですが、手足と顏の外は、寸地も白い皮膚のない大刺青ほりものの持主と後でわかりました。
お島は部屋へ入って来ると、いきなり呶鳴りつけた。野獣のような彼女の体に抑えることが出来ない狂暴の血がけただれたように渦をまいていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こういうすべての凝視と咆哮との対象というのは、日にけた頬と黒眼がちな眼とをした、体格もよく容貌もよい、二十五歳ばかりの青年であった。
空を行く長きの、一矢毎に鳴りを起せば数千の鳴りは一と塊りとなって、地上にうごめく黒影の響に和して、時ならぬ物音に、沖の鴎を驚かす。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
内からは雨のようにを射出して来て、たちまち五、六人を射倒されたので、みな恐れて引っ返そうとしましたが、わたくしはきませんでした。
燕王はあらかじめ景隆を吾が堅城の下に致して之をつくさんことを期せしに、景隆既にやごろに入りきたりぬ、何ぞを放たざらんや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
日夜数知れぬ多くの人に名を呼ばれている境涯きょうがいの身であれば、商売をめるからとて、一々馴染みの客に断って往くわけのものでもない。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
氏が辞職と共に俳優をめて仕舞しまへば永久この恩給に浴する事が出来るが、の劇場へ出れば十八万円は一切没収される規定なのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
こっそり町を散歩した。精々珈琲店カフェへ寄るぐらいであった。酒も煙草たばこめてしまった。で、珈琲店では曹達ソウダ水を飲んだ。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あい、お手紙。ほら、さっき来たんだけれどね、ね、花嫁がくと悪いから預っといたのよ、えらいでしょう。……女の人の手紙なんですもの。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
無言で小戻りしてきた慎九郎は、宮内の眼のところへ、自分の鼻が押しつくほどに近づけ、顔中の筋を一つも動かさずにいた。この男もいているのだ。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「おたけさんのクレオパトラの眼がトロンコになったよ。もう帰りたまえ。星野のいない留守に伴れてきたりすると、帰ってからかれるから」
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
——とはいえ、もしこの曹操が出なかったら、国々の反乱はなおまず、かの袁術の如く、帝王を僭称せんしょうするものが幾人も輩出したろう。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まさか……」と、笑って、「富士の噴火は、初めてではない。噴くだけのものを噴き上げ、燃えるだけのものを燃やしてしまえば、自ら、むだろう」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たたかんで、一かたまりになった時、雨もみ、陽も照り、濛々もうもうと、三千の武者いきれから白い湯気が立ちのぼっていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大勢はさらに刃物でそれをずたずたに切って、柴の火へ投げ込んでいてしまいましたが、そのいやな臭いはひと月ほども消えなかったそうです。
さうかといつて、この情熱じやうねつつくほどはげしい活動くわつどうには無論むろん出會であはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「十一日。晴。午刻より中野村行。広江氏不快に付て也。一宿。途中津軽坂聴子規ほとゝぎすをきく。」是日武揚等は遂に自ら諸艦をいた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「ああ——」とお房は返事をしたが、やがて急に力を入れて、幼い頭脳あたま内部なかが破壊し尽されるまではめないかのように叫び出した。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ゆえに原書「三国志演義」も、孔明の死にいたると、どうしても一応、終局の感じがするし、また三国争覇そのものも、万事む——の観なきを得ない。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふと、武蔵の寝息がむと、人影はぺたっと、布団より薄べたくなり、じっと寝息の深度を測りながら、根気よく大事をとって機を待っている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女は大概占いが好きなものだが、ルイザも面白半分にどうぞと言うと男は、まあ一つこれでもってからと笑って、何か黄色い液体を注いで出した。
生きている戦死者 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
二人のうしろに喰いついて、ひょろ松が渋しぶ立場へ入ると、アコ長ととど助は落着いたもので、芋豆腐いもどうふを肴にいっぱいりだした。
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
『とにかく、まだ早いですから、ここで何かって行きましょう。御銘々にお好きなものを御註文下さい——おい、婆さん、おれに黒麦酒ブルウネット!』
大燒原おほやけはらつた、下町したまちとおなじことほとん麹町かうぢまち九分くぶどほりをいた
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その農作地のうさくち牧場まきばとをつくるためには森林しんりん一部分いちぶぶんはらはらひしました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
いてまするからと忠實まめ/\しう世話せわかるゝにも、不審ふしんくもむねうちにふさがりて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今宵こよひ陰暦いんれき十三深碧しんぺきそらには一ぺんくももなく、つき浩々かう/\わたりて
「一寸伺ひますが、往時むかしのうちに琵琶湖とか富士山とか出来たと言ひますが、富士山を取崩したら、見事琵琶湖が埋まるでせうかな。」
あねれてもかえらずにひとところにちつくしていますと、一うちあね姿すがたえて
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
僕は心の中で、奴さん達垂涎三千丈だな、とほくそ笑みながら、どうせ俺には保存慾はないのだから、欲しければつてもいいよ、と軽く言つて見た。
書狼書豚 (新字旧仮名) / 辰野隆(著)
乳母ばあやだのがたもと菓子くわしけてつたり、あか着物きものる、みいちやんの紅雀べにすゞめだの
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寒月の咄に由ると、くれろというものには誰にでもったが、余り沢山あったので与り切れず、その頃は欲しがるものもまた余りなかったそうだ。