“や”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ごと喧嘩をしてめてやるのだが隨分おもしろいよとしながら、鐵網をのせて、おゝ熱々指先いてかゝりぬ。
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この次席家老はせてしなびたような躯に、しなびた猿のような顔をして、いつも精のない、悲観的な調子でものを云う癖があった。
半之助祝言 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かつら (やがて砧の手をやめる)一晌あまりも擣ちつづけたので、肩も腕もるるような。もうよいほどにしてみょうでないか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何もも忘れ果てて、狂気の如く、その音信れて聞くと、お柳は爾時……。あわれ、草木も、婦人も、霊魂に姿があるのか。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私の個性は或るみがたい力に促されて、新たなる存在へ躍進しようとする。その力の本源はいつでも内在的である。内発的である。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
心の欲する所は思い存分にる、しかしその行うことにも自ら宜しき程度があって、その程度即ち矩を踰えない所に真の自由がある。
デモクラシーの要素 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
さんが、くずさんのおをきいておいてくださったので、きよは、おにいくのに、そうしてかなくともよかったのです。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
警察の調べがとどいて、お槙があげられる、心細いの一念、可愛い憎いで、芳男と一しょにりました、と云いかねない女なのさ。
お菊はぬき足をしてそこを通り過ぎて、主人の居間の縁先に立つと、軒の大きい桜もきのうにくらべると白い影が俄かにせていた。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「君の説も一応は道理に聞えるが、五個の庄の住民ははり普通の人間で、決して𤢖や山男のでは無いと云うじゃアないか。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とうとうおが上までけました。その時分には、山姥もとうにからだになって、やがてばかりになってしまいました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
雨はんだ代りに、風が少し出て、その黒烟とその火とが恐ろしい勢で、次第に其領分をひろめて行く。寺の鐘、半鐘、叫喚、大叫喚※
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
よ、愚劣な×(2)に対して子供らを、をそむけてたちを、無言のまゝ反抗視線きつけるたちを!
どちらにしても、みほおけた骨格を想像していた北原にとっては、むしろこれは、容貌瀟洒というに近いほど、こなれている人だ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
玄機が刑せられる二年前に、温は流離して揚州に往っていた。揚州は大中十三年に宰相をめた令狐綯が刺史になっている地である。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ソフアの傍には、の鉢植、むかしのままに、ばさと葉をひろげて、乙彦が無心に爪で千切りとつたまで、その葉に残つてゐる。
火の鳥 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
と、徳利をつかんだまま、よろよろと、立ちあがると、ガタピシとをあけ立てして、庫裡の戸棚の中の、ね上げる。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
しながら思うに、大正元年の秋、英一がまだ十歳なりける時、大西一外君に誘われて我と共に雑司鬼子母神に詣でしことあり。
ただその一つさえ祭の太鼓はうべき処に、繁昌合奏るのであるから、鉦は鳴す、笛は吹く、続いて踊らずにはいられない。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
した事があつた。そして相手の農夫が値上げの張本人であるかのやうにとその顔を見つめた。顔は焼栗のやうに日にけてゐた。
大王猿猴の勧めに依って弓を引いて敵に向いたもうに、弓勢人にれて背中に廻る。敵、大王の弓勢を見てを放たざる先にれぬ。
「ほんとに商売をめてしもうてからにします」とばかりで、夜遅く近処の風呂にゆくほかは一日静かにして家にとじもっていた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
男女陰陽の道にもとづいてたわむれするはこうするものぞよ。どうじゃ、き加減は? アッハハハ。では、罷りかえるかのう。……
南洲等めて之を拒ぎ、事終にむ。南洲人につて曰ふ、七卿中他日關白に任ぜらるゝ者は、必三條公ならんと、果して然りき。
州の諸侯をはじめ、郡県市部のや官吏は、逃げ散るもあり、って賊となるもあり、を積んで、き殺された者も数知れなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現に真専門の x2+y2=r2氏のごときに至っては、ほとんど文学をめて、理学の方で月給を貰わなければ立行かん姿であります。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たちが、せっかく、一をそこにあかそうとってまると、意地悪く、夜中に、たちのすって、とそうとする。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
いや、そうはいけねえ——おいらあさっきから、一人で大分っているんだ。この上呑んだら、それこそ意気地なくうたたねだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
角海老時計きもそゞろれのへるやうにれば、四絶間なき日暮里りもれがりかとうらしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
直ぐその家に眼をつたのであるが、花崗岩らしい大きな石門から、楓の並樹の間を、爪先上りになつてゐる玄関への道の奥深く
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
夜陰のこんな場所で、もしや、と思ふ時、掻消えるやうに音がんで、ひた/\と小石をつて響く水は、忍ぶ跫音のやうに聞える。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
懐中から塵紙して四つにつて揚子箸手探りで、うくんで塵紙せて幸之助へ渡して自分も一つ取つて、乞
藻西の店は余等が立てる所より僅か離れしのみにして店先の硝子に書きたる「模造品店、藻西太郎」の金文字も古びてや黒くなれり目科は余を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
喬木風にあたる。何しろ、御勲功の赫々たるほど、人のっかみもしかたがあるまい。わけて特に、君寵義貞に厚しともあれば……」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハヽヽヽ、士ですからね、私は。何時、官を退いてに帰るかも知れませんよ、ハヽヽヽ、帰る、帰る、帰る……例へば、ですよ。」
鏡地獄 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
うる者はなかったから予が答えたは、まず日月出でて爝火まずと支那でいうのが西洋の「日は火を消す」と反対で面白い。
垢にれて破れ裂け、補給の道もなく、皮膚は一年有余にわたる灼熱の太陽にかれてアンゴラ土人となんの変わりもないくらいにこげ切っていた。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
眼は開いていてじっと彼を見つめており、あの最後の表情はまるで彼女の額にみ込まれたかきつけられたかのように見えた。
先年溜池にて愚僧が手にかゝり相果て候かの得念が事、また百両の財布取落し候の事も、その後は如何相なり候と、折々夢にも見申候間
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ソロモン王の言葉にも「ふ、なんぢら乾葡萄をもてわが力をおぎなへ、林檎をもてわれに力をつけよ、われは愛によりてみわづらふ」
乾あんず (新字旧仮名) / 片山広子(著)
くしたが、いで、鬱陶しくはない。兩側屋並つたとふと、立迎ふるめて、とともにいてく。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そうらしいな。るかな。まず、千浪どのに怪我のないように。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「だから僕も田舎をめて来たような訳さ。それに、まあ差当りこれという職業も無いが、その内にはどうかなるだろうと思って——」
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どちらとも彼奴の返事をお聞き下さい。は、自分、妙を欲しいではないが、なら知らず河野へはっちゃ不可ん、と云えば、私もおだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一六六 他を利することは如何に重大なりとも、己を益することをむべからず、己の本分を識りて恆に本分に專心なれ。
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
例の、闘鶏師仲間の者が、腹癒せに、その後、藩邸にまでって来たので、問題は、家老の耳にも、主君にも、家中全体に知れ渡ってしまった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うむ、毎日つてるが、今日でもう卅も食つたかな。お蔭で顔もこんなに若くなり泥的もすつかり巧くなつたよ。」
而るを誰とにか之をえん。且つその人をくるの士に従わんより、豈に世をくるの士に従うに若かんやと。してまず。子路行きて以て告ぐ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
売りますよ。気吹の著述なら、なんでもそろえてありますよ。染め物のほかに、官服の注文にも応じるしサ。まあ商売をしながら、道をひろめているんですね。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たとへば我が良人、今此処に戻らせ給ふとも、我れは恥かしさにあかみて此膝なるかくすべきか。恥づるは心のましければなり、何かは隠くさん。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今現に金の指環に真珠をむる細工に掛れる、年三十二三のさ男、成るほど女にも好かれなる顔恰好は是れが則ち曲者生田なるべし
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
敏捷い、お転婆なのが、すっと幹をかけて枝に登った。、松の中に蛤が、明く真珠を振向ける、と一時、一時、雨の如く松葉がぐ。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また能く火と変じ、その竜火湿を得ればすなわちゆ、水を得ればすなわちく、人火を以てこれを逐えばすなわちむ、竜は卵生にして思抱す〉
「鶏を……。誰にられたろう。又、銀山の鉱夫の悪戯かな。」と、若い主人は少しく眉をめて、雇人の七兵衛老爺った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「うれしくなんかねえさ。兵隊のくせして、うだうだ、おらの膝ッこばか寝ている男なんか、おら、んだ気がするにな」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本来なれば何も彼もすてて、茅野雄の後を尾行て行くか、でなかったら後腹めぬように——競争相手を滅ぼす意味で——討って取るのが本当であった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「美代姉は、んだって言ったの、、行がねえごったら、さ、縄つけでもせで行ぐどて。お美代姉、泣いでいだけ。」
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「私は澤山です。あなたのがなくなりますから。」と冷吉は、もじ/\する心持を押へるやうにしてつとさう言つた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
叔父がや遠方から偵がふと、怪しむべし、新夫婦のみ籠つた新築の離れ屋の、ぐるりの石垣に、幾らともなく横さらふ角鹿の蟹樣の物が取付き這廻る。
蓮の花開く音を聴く事 (旧字旧仮名) / 南方熊楠(著)
昂奮した山城守が、こう心中に怒声を揚げた時、その心語に応ずるかのように、眼前に人影が立った。ぎょッとして顔を上げると、気に入りの小姓だ。いつの間にか、庭を横ぎって来ていたのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「一風呂浴びて来て、飲み直しじゃ。今夜徹宵るも面白かろう。湯から上って来るまでに、娘を伴れてきておけ。湯壺へは、誰も来るでないぞ。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
丁度公園では歌がんだところであったが、聴衆がひどく喝采してまないので、同じ歌がまた始めから繰り返された。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
にゐるのをそつと捉へてんはりと訊くんだ。脅かしちやいけねえよ
『日本紀』一に伊弉冊尊火神を生む時かれてりましぬ、紀伊国熊野の有馬村に葬る。『古事記』には火之迦具土神を生ますに御陰かれて崩りましぬ。
ヂュリ 骨々其方っても、消息此方しい。これ、どうぞかしてたも。なう、乳母や、乳母いなう、如何ぢゃぞいの?
『橘さんは餘りらん方ですね。』と云つた樣な機會から、日下部君と志田君の間に酒の論が湧いて、寢酒の趣味は飮んでる時よりも飮んで了つてからにある
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
由「じアってみましょう………これは恐入ったね、中々柔かで仕末にいけません、姉さん、此の玉子焼は真白だねえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(亡くなつた夏目漱石なぞも、京都で初めてそれを見てく感心したといふ事だ。)大雅堂がある時その指頭画をつて、幾らか得意さうな顔をしてゐると
『あに、炉部屋へ置いてくらっせ、そっちへ喰べにゆくでの。おっ母も、客人と一緒にらんせ。ちっとも、気がねは要らんおらの友達じゃげな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのきつくやうな思ひ出のあるくみ子が、八田義太郎と云ふ實業家の家へ急に嫁入つてゆくと云ふことは、周次には何としても信じられない事だつた。
多摩川 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
さればこれらの分配通信の機関は火の原をくがごとく、水のに就くがごとく、かの政治的の境界をば日に侵掠して経済的の領地となさしめたり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
『ぢやね、芳ちやんの樣な人で、モと許りお尻の小さいのを嫁に貰つて呉れたら、一生酒をめるからツてお主婦さんにそ云つて見て呉れ。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
灯影のらなその町へ来ると、急に話をめて、女から少し離れて溝際をあるいていた浅井の足がふと一軒の出窓の前で止った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「何。成敗する? ……よかろう、汝らの手で成敗できるものならいたしてみい。り損じたら、この檜門が、おてまえ達の血で赤門になるぞ」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時は東山道軍はすでに板橋から四谷新宿へと進み、さらにヶ谷の尾州屋敷に移り、あるいは土手を切りし、あるいは堤を築き、八、九門の大砲を備えて
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
煙草入けたつてだら掻掃けばだ、りやすめえし」小柄さんのつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此頃京都に於ては、一旦将軍帰東の沙汰があつて、其事が又んだと見える。良子刀自所蔵の柏軒の書牘がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
と思うと、慄然として、頭髪弥竪ったよ。しかし待てよ、られたのにしては、この灌木の中に居るのがしい。
ところがね、ちょうどその晩兼六園の席貸しな、六勝亭、あれの主翁桐田という金満家の隠居だ。この夫婦とも、何者の仕業だか、いや、それは、実に残酷にられたというね。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
浮いたところのもない、さればと云つて心鬱した不安の状もなく、悠然として海の廣みに眼をる體度は、雨に曝され雪に撃たれ、右から左から風にめられて、磯馴の松の偏曲もせず
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
く如き熱、腐りたる蒸氣の中にありて、我血は湧きかへらんとす。沼は涸れたり。テヱエルの黄なる水は生温くなりて、眠たげに流れたり。西瓜の汁も温し。
荘子』に曰く、「至人なり。大沢くるもくあたわず。河漢れどもえしむるあたわず」と。また曰く、「死生はまた大なり。しかるにこれと変ずるを得ず」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
眼の縁辺りが薄く隈取られ、小鼻の左右に溝が出来、見れば意外に憔悴もしてい、病んででもいるようにせてもいた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『突然つて来て大分夜更まで遊んで行つた。今度の問題に就いちや別段話もなかつたが、(俺もモウ二十七ですからねえ。)なんて言つてゐたつけ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「そら/\」といひながら、してつて與吉つた。おつぎは砂糖いた自分めた。與吉砂糖をおへこぼしながらにつまんではれる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
てて加えてその頃から外国人、殊に日本人に対して厳しく警戒し、やともすると軍事探偵視して直ぐ逮捕した。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
このすばらしい音楽はあのラッパのある自動音楽が ひとりでつてゐるのです
出戻りとかいう名をせられることが、恐ろしかったのである。病気になった始めから、ただその一事をどのくらい気にんでいるかを知っている浩は、よけい心配した。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
十六年三月孫の家が再びけた。四月新居が落せられた。是月孫本町温知医黌の医学教諭となり、これに属する温知病院の副長となつた。其長は例の如く栗園がこれに任じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そんならなぜ軽くつながっているように取られるかというに、「焼く人は」と、「吾がく」と繰返されているために、其処が調子が好過ぎて軽く響くのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
『誰れがっ付けたんだ? 貴様か、ジルベール?』と激怒したルパンが恐ろしく問いつめた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
天窓がはっと二つに分れた、西瓜をさっくりったよう。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのときは——あの兇行のあったが暗かったものですから——短刀で胸を一突きにられたのが致命傷ということだけ判ったのですが、屍体を屍体置場へ運んでから、私が改めてべると
とパクリ/\とって居る。見物は
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
日本堤。一つらんか」
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
以前はかなりの船持ちであったという磯野の叔父はもと妾であった女と一緒に、そのころそこに逼塞していた。下谷でっていた待合もれて、人手に渡ってから、することもなく暮していた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
漸く自身の人柄に沁み透つたかのうにしつくりとして来て、彼は、事毎に、無言の彼女の姿を眺める時に、ふつと、己れが主になつて好ましい美妓を侍らし
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「昔だと、仏門にる処だが、君は哲学をっとる人だから、それにも及ぶまい。しかし、蒼沼は可怪しいな。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さへ細雨をぎ来りしが、しきに至らずしてみ、為めにしく休暇することを得たり。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
ふる里の写真にうつりをさなき日親切受けしつり具ありき
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
先の家にいるとき、雨のなかを井戸へ水を汲みに行って、坂で子供をったまま転んで、怪我で前歯を二本かいたほかは、歯をんだことのない老人に、そう言って笑われた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鶴富組の御主人も言うたはったが、今に日本がアメリカやイギリスとってみイ。敵の沈没船を引揚げるのに、お前らの身体はなんぼあっても足らへんネやぞ。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「雪に馬のれることはないが、暑さでは、馬さえられる」
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お利代が寢ずに看護してくれて、腹を擦つたり、温めたタオルで罨法つたりした。トロ/\と交睫むと、すぐ烈しい便氣の塞迫と腹痛に目が覺める。翌朝の四時までに都合十三回も便所に立つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
事件の始まりは、今も記した、飲食店の美満寿屋からで、或日私は心すそうに其家の門口を潜ったものである。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
肉をかせ、飯をあつらえた。小酒屋へ入って、飲まないのも悪いと考えてか、その間に
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無理をすると顔が火のつくように熱くける。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
さりながら、何程思続け候とても、水をめてかれ候に苦艱の募り候のみにて、いつ此責るるともなくは、孱弱き女の身にはに余に難忍き事に御座候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
く優くも、高くくも、又は、くも大いなる者在るを信ぜざらんと為るばかりに、一度目前るを得て、その倒懸の苦をうせん、と心くが如く望みたりしを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
秋は早い奥州の或山間、何でも南部領とかで、大街道とは二日路三日路も横へ折れ込んだ途方もない僻村寺を心ざして、その男は鶴の如くにせた病躯を運んだ。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
小次郎の鼾声が微かに聞える。——一時、ハタとんだ虫の音もふたたび何事もないように、そこらの草の露からすだき始めた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『磯貝のような若い者ですら、その通り、いつ病気をるか分らぬ。——ましてや』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『まあ、ってみなさるがよい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左に推させ、と右へ、捻ぢ回したる打擂本手に、さしもたる須本太牛は、頑童放下さるる猪児地響して摚と仰反り倒れけり——と描写している。
越後の闘牛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
松高く築地は低き學び
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
って、冷遇じゃという噂がある。それをったとみえる
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西洋人にる進物の見立をして貰ふには、長く居る金田君に限ると思つてね、彼方此方とブロードウヱーの商店を案内して貰つた帰り、夜も晩くなるし、腹もいたから、僕は何の気なしに
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「さうだことあねえで、そらたつとかうつんだすもんだ、倦怠くつてやうねえ此等がな」先刻さんはをぐつとして呶鳴つた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そんだが旦那あれてから、家族奴等こともんねえはあ、れうめえられつちやつたな、いやあれちや勿體ながす、本當勿體ねえだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
——さなよ』とつてちやんは、一何遍變化したことをして、顧慮いやうながしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
誇顏ひました、何故といふに、自分年齡格好小娘で、其意味つてるのはだと實際ちやんはつてゐましたから。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
近子はと嫌な顏をして、「それでも貴方うかするとれツて有仰ることがあるぢやありませんか。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そりや頭が重いからさ。ところへ上手でもないバイヲリンをギコ/\られるんだかららんね。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
寢床にはひつても盤面腦裡んで來て口しさにれぬひのする事しばしばだが
先づ出に及んで何と四、すつかり得になつてゐると、つい二三日前には口しさのやさんずとうから來に及んで何と三、物の見事に復讐されてしまつた。
(酒が飲めなきゃ飯を食ってもう帰れ、御苦労だった、今度ッからもっと上手にれよ。)と言われて、畳について泣いていると、(親がないんだわねえ、)と、勿体ねえ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
られたのかい。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
めてもえゝのんや」と繰返していふ。たしか、以前にも二三囘、彼は斯うした事から「める」と騷ぎ出し、職員全部にそれをふれて𢌞つたが、結局辭めなかつた。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
晝休に、食事を濟ませてから暫く職員室にゐると、廊下で何か生徒等が騷ぎ始めたと思つたら、やがて扉があいて、去年の春結婚のためにめた音樂の教師が、赤ん坊を抱いてはひつて來た。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
れよ……」綽空が、の上からいう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
りながら話しましょう」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若し内容があつたにしても前の晩のことだけは余以外の者には解らない。また、あの晩の続きをるのかと最初は思つたが、シヤボン玉の液はこの晩に新しく拵へたのであつた。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
額にセルロイドの光線避けなどをかむつて、忙し気に手の先きを働かせてはゐるが、つてゐることは、至極単純なことらしかつた。たゞ徒らに物々しく器具や液体を弄んでゐるだけなのだ。
西瓜喰ふ人 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
故に、諸君にして真正の学識を積むあらん、本校の意足れり。本校、又別に求むる所あらざるべし(謹聴、拍手)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
されども幕のコフ所にゆるせり。薩云々等朝に大典の破し事憤りて、兵を国より召上せ、既に京摂間に事あらんと。龍此度山口に行、帰りに必ず面会、事により上に御同じ可仕候かとも存候。
庭のあずまに女の声がする。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何故つて今罷めようといふ仕事の代りに、一體何をあなたが目論んでゐるのか僕には見當が附かないからなあ、一體今あなたが持つてゐるのはどんな目的なんです、どんな望みなんです
つけろといふ遠廻しの忠告ですつてさ、るとなれば前触れなんてする筈もないぢやありませんか。
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「雑ものをっていると、硝石を食ってしようがねえな。また少し土を採って来て置こうか」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
役所はめられ、眼はとうとう片方が見えなくなり片方は少し見えても物の役には立たず、そのうち少しの貯蓄はなくなってしまいました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
瓢兮吾れ汝を愛す
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
昨日まで吹きすさんでいた西風がけろりとんで、珍らしく海がいでいた。静浦の沖には、無数の漁船が日光を享楽している水鳥の群のように点々と浮んでいる。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
そんな奴らが何人いたって、まさかの時のお役に立つものでない。仇討は吾々だけで十分遣ってみせるよ
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
恋愛を更らに向上せしむるの努力はがて恋愛が生命を得、幸福を与ふる衝動となるのである。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
「もうお話にも何もならねえチヨツカイきの悪魔で御座いますでな。」
この子は葦船に入れて流しりつ一〇。次に淡島一一を生みたまひき。こも子の數に入らず。
なんでええ奴だと喧嘩を吹っ掛けて、其のと喰いっても刀をふんだくって番頭さんに渡して遣れば、で死に合うとも何うしてもいのだから、番頭さんもいなせなえでゴテ/\をきめて
、実際山を歩行いたんだ。それ、日曜さ、昨日は——源助、お前はから得ている。私は本と首引きだが、本草が好物でな、知ってる通り。で、昨日ちと山を奥まで入った。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはりなさい。行処が分っていれば好いじゃないか。それに、平尾さんの処へ行けば不動さまも仕合せ。命日々々には私の所や君の処よりも、平尾さんの処の方が御馳走もあろう。ただ、我々が借りたい時は借りる条件を
隠居仕事に、食料をる連中の何時も集る緑のベンチ
私は額縁屋へかましくいって造らせたりしますが、どうもいう事を聞かないのでだから致方なく、私は場末の古道具屋をあさって、常に昔しの舶来縁の、古いのを探しまわるのです
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
ご存じの楚蟹の方ですから、何でも茨を買って帰って——時々話して聞かせます——一寸幅の、ブツで、雪間紅梅という身どころをろうと、家内と徒党をして買ったのですが
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鳴物入で」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
然うして後から私も化け込んで、見え隠れに附けているとも知らず、此女とお前さんは道連れに成って仲好くして、縺れぬばかりに田圃路を歩きなすった。案山子まで見て嫉妬いていたじゃあないか
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
ニ住シテ凡ソ幾年、バ春冬ノルヲ見ル寄語ス鐘鼎家、虚名ンデ益ラン」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
無尽蔵にいる兎や狐を狩り取ることもいと容易すければ、その肉をぶることも焼くことも大して手間は取らなかったが、私の目指す森林の奥まで持ち運ぶ方法に苦しんだ。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私の心が不健全であるのでは無からうか、愛情と云ふものを宿どさない一種の精神病のではあるまいかと——けれど私は只だ亡き母をひ、慕ひ想像する以外に
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
腕も拔群ですが、何よりの特色はその輕捷な身體で、もう一つの特色は、げる者は殺さずんばまない、鬼畜の如き殘虐性でした。
これを称して弭兵という。弭兵とは兵をめるという事だが、その性質より考うるにこれを今日の語でいえばリーグ・オヴ・ネーション、国際連盟ともいうべきである。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
飲むとむやみに陽気に騒ぎ散らすと宿の女中が話していました。ふだんはまじめなをしているが、なかなか道楽者らしい男で、酔うと三味線なんぞをぽつんぽつんるということです
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これは彩色なしではあるが、木地のままでも、その物質そのままを感じ、また色彩をも感ずるように非常に苦心をしてったのであった。
斯うしていれば大抵は無難だが、それでも時々何の理由もなく、通りすがりに大切の頭をコツリとって行くこともある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かかる賤しき油売の姿にわが身をつしてあれば
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
賤「私の云った通りから石をったのかえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「賊はじきにその晩られた」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と是から血を出し、姓名の下へすとはい事をしたもので、ちょいと切って、えゝとるので、な事であります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貴娘知らんのならお聞きなさい。頃日の事ですが、今も云った、坂田礼之進氏が、両国行の電車で、百円ばかり攫徒られたです。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると伊藤公がられたというんでしょう、さあ大変、みんな滅茶苦茶に飛び出して行って、わいわいごった返しです。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「知れた事だ。汝等のような蛆虫は撲殺したって仔細え。金次どうだ。」「っちまえ。」と、に躍るを、「待った。」とに割込むは、夫人の後を追うて、勝手口よりたる矢島
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さてはいぞシテったり、とお通にはもとより納涼台にも老媼は智慧を誇りけるが、んぞ知らむ黒壁に消えし蝦蟇法師の、野田山の墓地にれて、お通が母の墳墓の前に結跏趺坐してあらむとは。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ガヤガヤと物をいう。非難攻撃、陥穽迫害! ……が、わしは恐れない! わしは力でやっつける! 一人の力で、もっぱらにる!
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
風もまつて林の中はとして居た。烏が一羽、連れから離れたやうに、「があ、があ。」と啼きながら奥山の方へ飛んで行つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
それみろ、と何かや、勝ち誇った気構えして、蘆の穂を頬摺りに、と弓杖をついた処はかったが、同時に目の着くのさし口。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(このあいだに暗殺る気かな? ——)
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その瞬間、電車の響も、自動車の音も、人の話声も一時にぴったりとんで、不思議な沈黙が街を占めた。と、突然、静まり返った建物を覆すような、けたたましい電鈴が鳴った。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
犬がさつさとつて来た
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
のことにスエズ運河の堰堤ってしまおうじゃないか。
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
例えば冷水浴の如き私も生徒に接するごとに能くそう言うのですが、君らは水をりたまえ、殊に五月六月頃は丁度好い時節である、一つ思い切ってやりたまえ。
教育家の教育 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
けれど、見ている静のほうが、その一火一火に、骨のしんまでかれるようなえに締めつけられていた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の女の手紙には、いつもき籠められたやうに涙の匂ひが染み込んでゐた。
酔狂録 (新字旧仮名) / 吉井勇(著)
今にも裂けて飛びそうな山体を解放する安全弁であるかの如くに、一きわ物凄い光を放って、翠の濃い谷間の空気をきに焠き研きに研いて、蛍石のような輝きを帯びた晶冽の気と化し
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
たゞ沙漠のけてゐるやうに、頭がツてゐるばかりだ。そして何時颶風が起ツて、此の體も魂もめられてうか知れないんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「あいつ、っとるな。仔鯨撃ちですよ」
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
今から推察すれば父の胸算に、福澤の家は総領に相続させるりでしい、所が子供の五人目に私が生れた、その生れた時は大きなせた骨太な子で、産婆の申すに
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
飮みツて了ツたもんですから、些とめるてえ譯にはらないんですよ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
へへへ、今夜はおさんもってるけれど。まあ、可いや。で何だ、痘痕の、お前さん、しかも大面の奴が、ぬうと、あの路地を入って来やあがって、空いたか、空いったか、と云やあがる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、これも気色ばんだ女房の顔を、兀上った額越に、トって
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(瓦くとこ見てもいゝ?)
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
何となりとも察してよき樣に斗らひ給へ、我れは小豆まくらが相應なればと、美事とぼけた積りでれば、ほんに左樣御座んしたもの、海山三千年の我れに比らべて力まけのせし可笑しさ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし、秋蘭の眼は澄み渡ったまま、甲谷の笑顔の前を平然と廻り続けて踊りがんだ。——歌余舞みし時、嫣然巧笑。去るに臨んで秋波一転——。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「も少し日射の好い部屋でったら可さそうなものだな。そして火鉢もないじゃないか」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『摩訶僧祇律』七に雪山水中の竜が仙人の行儀よく座禅するを愛し七巻きて自分の額で仙人のを覆い、食事のほか日常かくするので仙人休み得ず身体せて瘡疥を生ず
こんな時には、よしんば鼻先をまれたつて侯爵は決して腹を立てない。赤茶盌はつこい物で、腹を立てるとれるといふ事を知つてゐるから。
せた張飛眞鶴駐在所勤務することに七八齋藤巡査し、退隱關羽鈴木巡査といつて勤務することに九以上であるといふことは、つたのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
初め大后、日下にいましける時、日下の直越の道より、河内にでましき。ここに山の上に登りまして、國内を見けたまひしかば、堅魚を上げて舍屋を作れる家あり。
若い男若い女が手を牽合って歩いて行くのを見るごとに、羨ましいような妬ましいような、蔑むような侮るような、名状のならぬ心持が自分に起り、傍らの古本を覗き込むと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
奥さんはや久しい間、純一の顔を無遠慮に見ていたのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それはいねちゃんと私とが大きいアルミのカンをかけた私のうちの茶の間の火鉢をさしはさんでとったもので文学雑誌のひとがとったのです。
永くまたこのんだ額をあげないであらう。
測量船拾遺 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
左様で、ござりません。仁丹がうござりますやろ。」と夕間暮薬箪笥に手を掛ける、とカチカチと鳴るとともに、額の抜上った首を振りつつな眼鏡越にじろりとる。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
家元の看板を、中のお里にってしまって、がらにもない、お武家様の奥様に、納まろうとしたけれど、これも駄目……。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで汽車が発つと何うにも胸が収まらない。よりは少しられたのでな。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
面は陽にけている
鱒の話 (新字新仮名) / 今野大力(著)
ほかの家来も多く集まった中で、沢庵は、猿楽舞などをりだした。酔えば酔うで、忽ちそこに愉楽三昧な世界をつくる沢庵の面白そうな姿を、武蔵は、慎んで眺めていた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爲方がないから、ギリ/\齒噛をしながらも、い心でおツへてゐる。其れがまたい。其の辛いのを耐へて、無理に製作をける。がて眼が血走ツて來、心が惑亂する。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「何やってんだ、一体——。別に学校を退めるほどの事情もなさそうだったが、働かなきゃならんほどの」
睡魔 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
その争いが烈しくなるにつれて、前者は後者をって、あいつらがそんなにるのは喰うに困るからだと言った。そして、それは事実でもあった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「八十三郎がいないから、なお、いいじゃないか。兄貴の君とはちがって、あれは、通人だぞ。なかなか、にまわって、っとるらしい」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「行っていらっしゃいませ」妻の声をうしろに、菊花に眼をやりながら、我がの門を出ると
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どこかへまいって一杯ろう。細かい話や、あしたの手筈は、そこで飲みながらのことと致して」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出掛けて行ってるだろう。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「とうとうって来やアがった。」と叫んで思い思いに席を取った。文公の来る前から西の空がまっ黒に曇り、遠雷さえとどろきて、ただならぬけしきであったのである。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
建場々々で飲酒りますから、滅多に持出した事のない仕込の片餉油揚煮染に沢庵というのを、もくもくと頬張りはじめた。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから満枝は益す禿のを得て、内政を自由にするやうになつたから、定めて生家の方へぐと思の外、の外は塵葉一本らん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
パン屋ははやをまっかにして忙しそうに立ち働いているし、乳屋は車をって戸々に牛乳を配達しつつある。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
何にせよ、どうかしていたと見えます。兎はちょいちょい、猿も時々は見懸けますが、狐狸は気もつきませぬに、穴の中からでもりましたかな。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)