“案山子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かかし70.7%
かがし12.8%
かゝし12.0%
かゞし2.3%
かがち0.8%
あんざんし0.8%
カヽシ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふねの中は藻抜けの殻だ——今まで敵だと思った人影は盗み出した品物を積み上げて、それに上衣うわぎを着せ帽子をかぶせた案山子かかしであった。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
案山子かがしだと言われた久延彦くえびこすなわちアイヌの男子が、足は行かねどもことごとく天が下の事を知ると言われた事にも思い合されるのである。
其処そこけては我等わしらふなぢや。案山子かゝしみのさばいてらうとするなら、ぴち/\ねる、見事みごとおよぐぞ。老爺ぢい広言くわうげんくではねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ベンヺ あのやうな冗繁あくどいことは最早もう流行はやらぬ。肩飾かたかけ目飾めかくしをしたキューピッドに彩色さいしきした韃靼形だったんがた小弓こゆみたせて、案山子かゞしのやうに、娘達むすめたち追𢌞おひまはさするのは最早もうふるい。
山田やーまだのなーかの、一本あち案山子かがち
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
一方、又近代では、苗を束ねた人形や、役のすんだ案山子カヽシを正客とする程神を空想化してゐる処もある。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)