“かがし”の漢字の書き方と例文
語句割合
案山子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ソメすなわち山田の案山子かがしを田から迎えて来て、屋敷の片隅の静かな場所で、または内庭にうすをすえて、焼餅を供え御祭をする風習が、つい近い頃まではあった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
人間は、これ程の災厄を、愚な案山子かがしのように突立ったぎりでは通すまい。灰の中から、更に智慧を増し、経験によって鍛えられ、新たな生命を感じた活動が甦るのだ。
私の覚え書 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
今日きょうは雲のゆきき早く空と地と一つになりしようにて森も林もおぼろにかすみ秋霧重く立ちこむる野面のづらに立つ案山子かがしの姿もあわれにいずこともなく響くつつの音沈みて聞こゆ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)