“野面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のづら80.0%
のもせ9.2%
のら4.6%
ノヅラ3.1%
のおも1.5%
のも1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黄金色のえにしだが三角形の頭を突き出し、白い苜蓿うまごやしが点々と野面のづらを彩っています。……鷓鴣しゃこが飛び出す、鷹がゆるゆると輪を描く。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たもとに寒き愛宕下おたぎおろしに秋の哀れは一入ひとしほ深く、まだ露りぬ野面のもせに、我が袖のみぞ早やうるほひける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
く働くことに掛けては男子にもまさる程であるが、教員の細君で野面のらにまで出て、烈しい気候を相手に精出すものも鮮少すくない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大風をつき拔く樣な鋭聲トゴヱが、野面ノヅラに傳はる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
におう藤沢の、野面のおもに続く平塚も、もとのあわれは大磯おおいそか。かわず鳴くなる小田原は。……(極悪きまりわるげに)……もうあとは忘れました。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)