“匂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にお48.8%
におい27.9%
にほ12.0%
にほひ9.1%
ニホ0.6%
かぐ0.4%
にほい0.4%
かんば0.2%
ほのめ0.2%
ニオ0.2%
ニホヒ0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
レモンの汁をかけたパパイヤの果肉は、乳の香がやや酸㾱さんぱいした孩児あかごほおに触れるような、やわらかさとにおいがあった。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それはなにか気懸きがかりな話ではあったが、そういう申出もうしいでには愛情のおもいりがこうのようににおうてくるようでもあった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
このつめが、薬罐やかんなかえくりかえあまにおいを、一でいいからがしてやりてえくれえのもんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
普通は、本堂に、香華こうげの花と、香のにおいと明滅する処に、章魚たこ胡坐あぐらで構えていて、おどかして言えば、海坊主の坐禅のごとし。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それがきぬハンケチを首に巻いて二重𢌞にぢゆうまはしの下から大島紬おほしまつむぎ羽織はおりを見せ、いやに香水をにほはせながら、
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
二人は中甲板へ降りて、うまさうなにほひの放散してゐるコック部屋の側を通つて、薄暗い裸の蝋燭らふそくの灯の見える機関室へ降りて行つた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
芬々ぷんぷんと香水のにほひがして、金剛石ダイアモンドの金の指環を穿めて、殿様然たる服装なりをして、いに違無ちがひないさ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「鐵砲の音のやうでした。驚いて音のした方へ飛んで行くと、川の方へ向いた部屋は煙硝えんせうにほひで、お佛壇の前には、旦那がこんな具合に」
其から見れば、ひとまはりも若いおれなどは、思ひ出にまう一度、此ニホやかな貌花カホバナを、垣内カキツ坪苑ツボに移せぬ限りはない。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
其から見れば、ひとまはりも若いおれなどは、思ひ出にまう一度、此ニホやかな貌花カホバナを、垣内カキツ坪苑ツボに移せぬ限りはない。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あはれ姥桜、残んのいろ香艶に婉なる三十女お藤がかぐはしき体臭よ。
山の手歳事記 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
長い金髪をふさふさと掻き上げて、そこに花綵はなづなを巻いて、微風は袖を翻し、裳裾をなびかせ、しかもゆったりと腰に纏うた飾帯の金銀宝石が陽の光にきらめいて、さながら、これも名彫刻から脱け出てきたような、かぐわしい気品と香気とを漂わせているのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そのはなへ、かほおしつけるやうにして、ほろ/\あふれるをごまかしましてね、「西洋せいやうのでございますか、いゝにほいですこと。」なんのつて
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眼もうだが、顏にも姿にも下町したまちにほいがあツて、語調ことばつきにしろ取廻とりまはしにしろ身ごなしにしろ表情にしろ、氣は利いてゐるが下卑げびでゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まことに此時このときうららかにかぜやはらかくうめの花、のきかんばしくうぐひすの声いと楽しげなるに
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
先ず主人が世界に名を知られた身の上なるをほのめかし、次に余の差し出す名刺を威儀正しく受け取って退いたが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ファルヤマも、百合ユーリ花盛ファナサカリーイ、きすゅるソーデニオのしおらしや……」
骨仏 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
其から見れば、ひとまはりも若いおれなどは、思ひ出にまう一度、此ニホヒやかな貌花カホバナを、垣内カキツ坪苑ツボに移せぬ限りはない。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)