“匂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にお48.8%
におい29.1%
にほ11.3%
にほひ8.8%
ニホ0.6%
かぐ0.4%
にほい0.4%
かんば0.2%
ほのめ0.2%
ニオ0.2%
ニホヒ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いいりがする。あれは、すずらんのいだよ。」と、おさんはほどくに、いているつけてえられました。
さまざまな生い立ち (新字新仮名) / 小川未明(著)
停車場は、突然荒寺の裏へ入った形で、と身にみるの葉の、鳥の羽ででられるように、さらさらと——袖が鳴った。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幸ひ子供心にも、ひを嫌つて食べなかつたから助かつたものの、さうでもなければ、一たまりもなくやられてつたところでせう。
一寸なさい」と美禰子がさな声で云ふ。三四郎は及び腰になつて、画帖の上へを出した。美禰子ので香水のがする。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
仲麻呂は今年、五十を出てゐる。其から見れば、ひとまはりも若いおれなどは、思ひ出にまう一度、此やかな貌花を、垣内坪苑に移せぬ限りはない。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
あはれ姥桜、残んのいろ香艶に婉なる三十女お藤がはしき体臭よ。癇癪持らしい色白面長のその顳顬には頭痛膏の江戸桜が小さく切つて貼られてゐよう。
山の手歳事記 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
眼もうだが、顏にも姿にも下町があツて、語調にしろ取廻にしろ身ごなしにしろ表情にしろ、氣は利いてゐるが下卑でゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
まことに此時らかにらかくの花、しくの声いと楽しげなるに、てゝきならす爪音、いにしへの物語ぶみ、そのまゝのありて身も心もえたり、の帰るさ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
先ず主人が世界に名を知られた身の上なるをかし、次に余の差し出す名刺を威儀正しく受け取って退いたが、思ったよりも早く余は客待室へ通された。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
も、百合花盛リーイ、きすゅるのしおらしや……」
骨仏 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
仲麻呂は今年、五十を出てゐる。其から見れば、ひとまはりも若いおれなどは、思ひ出にまう一度、此やかな貌花を、垣内坪苑に移せぬ限りはない。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)