“芳香”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうこう33.3%
におい26.7%
かおり26.7%
はうかう10.0%
にほひ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこからともなく、ヒューンと発電機のうなりに似た音響が聴こえているかと思うと、エーテルのよう芳香ほうこうが、そこら一面にただよっているのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いい芳香におい臓腑はらわたのドン底までみ渡りましたよ。そうなると香水だか肌のにおいだか解かれあしません。おまけにハッキリした日本語で
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
コルトンの死骸の横っていた共同椅子の辺には、青草が知らず顔に萋々せいせいと伸びている。倫敦は軈て芳香かおり高い薔薇の咲く頃となった。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
ときに、一筋ひとすぢでもうごいたら、の、まくら蒲團ふとん掻卷かいまき朱鷺色ときいろにもまがつぼみともつたかほをんなは、芳香はうかうはなつて、乳房ちぶさからしべかせて、爛漫らんまんとしてくだらうとおもはれた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貴殿の御武勇を以て此事を行ひ賜はらば一代の御栄燿ごええう、正に思ひのまゝなるべしと、言葉をつくして説き勧むるに、われ、香煙の芳香にほひにや酔ひたりけむ。一議に及ばず承引うけひきつ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)