トップ
>
芳香
>
かおり
ふりがな文庫
“
芳香
(
かおり
)” の例文
コルトンの死骸の横っていた共同椅子の辺には、青草が知らず顔に
萋々
(
せいせい
)
と伸びている。倫敦は軈て
芳香
(
かおり
)
高い薔薇の咲く頃となった。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
血の異臭と、線香の
芳香
(
かおり
)
が暗い部屋の中に息苦しい程みちみちた。その中に座り込んだ与一は仔細らしく両手を合わせた。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
印度
(
インド
)
産の極上品よりもズット
芳香
(
かおり
)
の高い、味の
美
(
い
)
い烏龍茶を一つ毛唐に宣伝してみろってえ、その時の民政長官の男爵様で、
後藤新平
(
ごとうしんぺい
)
てえ方が……ヘエ。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
学生の癖に
意気地
(
いくじ
)
が無いんだなあ君ゃ。ハハハハハ。まあ珈琲を一杯飲み給え。スマタラ製だが非常に
芳香
(
かおり
)
が高いんだ。度胸が据って僕の話が面白くなるだろう。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
唄う
鸚鵡
(
おうむ
)
も、舞う極楽鳥も、玉虫も、蛾も、ヤシも、パイナプルも、花の色も、草の
芳香
(
かおり
)
も、海も、雲も、風も、虹も、みんなアヤ子の、まぶしい姿や、息苦しい肌の
香
(
か
)
とゴッチャになって
瓶詰地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
蘭奢待
(
らんじゃたい
)
の
芳香
(
かおり
)
、
四隣
(
あたり
)
を払うて、水を打ったような人垣の間を、しずりもずりと来かかる折から、よろよろと前にのめり出た銀之丞、千六の二人の姿に眼を止めた満月は、思わずハッと
立佇
(
たちど
)
まった。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
振り動かす
度
(
たんび
)
に云うに云われぬ美しい
芳香
(
かおり
)
が湧き出すのであった。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
噎
(
む
)
せかえる女性の
芳香
(
かおり
)
と一所に……。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
芳
常用漢字
中学
部首:⾋
7画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“芳香”で始まる語句
芳香属
芳香酒