“ほうこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホウコウ
語句割合
彷徨38.7%
咆哮21.2%
奉公20.2%
方向6.0%
芳香3.0%
方嚮2.0%
咆吼1.7%
豊公1.0%
封侯0.7%
縫工0.7%
(他:15)4.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
警部は我が身を、フィラデルフィア迷路の中に彷徨ほうこうしながら精神錯乱した男にくらべて、脳髄のしびれて来るのを感じたことでありました。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
寒さが、日一日と加わって来る故郷の僻村で、生と死との間に彷徨ほうこうして、苦しみ悩んでいる三つの魂、病み疲れ、なすことを知らぬ老父、姉、甥。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
絵に見たのは墨絵でしたが、夢の中では、兵馬は、真蒼まっさおな、限りも知られぬ竹藪の中に彷徨ほうこうしているところの自分を発見しました。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし喧騒、咆哮ほうこうは、よく反響する絶壁に当って、何倍にもされながら、たかまりひろがり、眩惑げんわく的な狂気にまでふくれあがった。
いやここばかりでなく、乱闘乱戦、さながら野獣群の咆哮ほうこうとなった。誰か一人が小屋へ火を放つ。その炎と黒煙も双方の殺伐を煽り立てた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人とけだものの格闘であった。無気味な咆哮ほうこうと意味をなさぬわめき声が入れまじり、三つのからだがともえに乱れて、床板の上をころげまわった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ほとんどひといきに、二三日前にちまえ奉公ほうこうた八さい政吉まさきちから、番頭ばんとう幸兵衛こうべえまで
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
うちにいては、なんのためにもならぬから、いいとこをさがして、奉公ほうこうなさい。そして、おともだちに、まけないようにしなければならぬ。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
はなが、東京とうきょう奉公ほうこうにくるときに、ねえさんはなにをいもうとってやろうかとかんがえました。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこかの煙突えんとつから、のぼしろけむりが、かぜ方向ほうこうへかきむしられるように、はかなくちぎれています。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それと同時どうじ地震波ぢしんぱ地球内部ちきゆうないぶ方向ほうこうにも進行しんこうして反對はんたい方面ほうめんあらは
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「また、おにかかります。」と、一ごんのこして、からすとは、反対はんたい方向ほうこうんでいってしまいました。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
家の中に入ると、不思議とあの変な臭気は薄れた。そしてそれに代って、ひどく鼻をつくのが消毒剤のクレゾール石鹸液の芳香ほうこうだった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どこからともなく、ヒューンと発電機のうなりに似た音響が聴こえているかと思うと、エーテルのよう芳香ほうこうが、そこら一面にただよっているのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、その体から立ちのぼる芳香ほうこうは、自らきおこした風に乗って、いよいよひろまり、一層多くの人びとが立ちどまって、不思議そうに紳士を見詰みつめはじめた。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
そして、方嚮ほうこうを東南に取り、いわば四方から湖に囲まれたという姿の、Rigiリギ の山上に一夜泊ろうとしたのであった。
リギ山上の一夜 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
庸三は車の動く方嚮ほうこうを見澄まし、少し間をおいてから下へおりて行ったが、外へ出てみた時には、荷車はすでに水道橋から一つ橋へ通う大道路を突っ切っていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
考の別記に、「御歌を奉らせ給ふも老は御乳母の子などにて御むつまじき故としらる」とあるのは、事実は問わずとも、その思考の方嚮ほうこうには間違は無かろうとおもう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
カークも、大湿林の咆吼ほうこうをよぶ狂風を感じはするが……、死をして、不侵地悪魔の尿溜をきわめようなどとは、夢にもさらさら思わないことだった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
咆吼ほうこうする左膳、棕櫚しゅろぼうきのような髪が頬の刀痕にかぶさるのを、頭を振ってゆすりあげながら、一つしかない眼を憎悪に燃やして足もとのお藤をにらみすえた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「うわゥ、うわゥ」と奇妙な声で咆吼ほうこうしながら、首を振り腰をひねって、しきりに前庭を遊曳ゆうえいする様子。
これ皆様みなさま御案内ごあんないのことでござりますが、其時そのとき豊公ほうこう御寵愛ごちようあいかうむりました
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
豊公ほうこうの戦役この方、幾百の陶工が海を越え、土を追ってきょぼくしたが、その中でこの苗代川ほど歴史を固く守った所はなくまたここほど高麗人の今も集団する土地はない。
苗代川の黒物 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
こんな具合でしたから高橋の本誓寺という寺の和尚などは、寒月氏が基督信者とはどういうわけだろう、といって不思議にしていましたが、自分のは豊公ほうこうがイエズス教に入って、それを仲介者として外国の智識を得たように、宗教そのものよりも、それにって外人の趣味に接しようとしてるのです。
我が宗教観 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
かつては封侯ほうこうをも得たその老将がいまさら若い李陵ごときの後塵こうじんを拝するのがなんとしても不愉快だったのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
部下の諸将がつぎつぎに爵位しゃくい封侯ほうこうを得て行くのに、廉潔れんけつな将軍だけは封侯はおろか、終始変わらぬ清貧せいひんに甘んじなければならなかった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
いよいよ誓って、彼の勲功を帝に奏し、わざわざ朝廷の鋳工ちゅうこう封侯ほうこうの印をさせた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
衣服、旗、兵甲などの縫工ほうこうは、すべて侯健こうけんの係。造壁ぞうへき築造ちくぞうの任は、陶宗旺とうそうおう
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
床場ゆかばの内では、弓の弦師つるし、具足の修理、くさずりの縫工ほうこう研師とぎし塗師ぬし革裁かわたち、柄巻つかまき、あらゆる部門の職人が見える。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岡本况斎、名は保孝ほうこう、通称は初め勘右衛門かんえもん、後縫殿助ぬいのすけであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
正親町おおぎまち天皇の時、じゅ五位じょう岡本保晃ほうこうというものがあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
耳もろうするばかりのその怒号、吼哮ほうこう
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
弟は劉理りゅうり、字は奉孝ほうこうという。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「哀しいかな郭嘉かくか。痛ましい哉、奉考ほうこう……ああ去って再びかえらず」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが娘お菊の出世の緒口いとぐちになって、思いも寄らぬ玉の輿に乗るかも知れないというのは、娘に力を落させないための口実で、実は世間の評判通り、一年の奉行ほうこうの後、お金の方やお桃の方のように忽然として姿を掻消かきけ
惟皇これこうたる上帝じょうてい、宇宙の神聖、この宝香ほうこうを聞いて、ねがわくは降臨を賜え。——猶予ゆうよ未だ決せず、疑う所は神霊にただす。請う、皇愍こうびんを垂れて、すみやかに吉凶を示し給え。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼らが逆らえば、風はうめきをあげて根こそぎにひっ攖咆哮ほうこうした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
羽後うご能代のしろ方公ほうこう手紙をよこしてその中にいふ、
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
砲熕ほうこうの前へ、ノコノコ現われて、敵弾から受けた損傷の程度を調べに行った水兵があった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たとえば大砲の砲腔ほうこうをくり抜くときに熱を生ずることから熱と器械的のエネルギーとの関係が疑われてから以来、初めはフラスコの水を根気よく振っていると少しあたたまるといったような実験から
科学と文学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
十年前、藩侯執政たりしとき、外寇の議論をたてまつり、船匠せんしょう礮工ほうこう・舟師・技士を海外にやとい、艦を造りほう、水戦を操し礮陣を習わんことを論ず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ああわれ 蓬蒿ほうこうの人、
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やまくや豐公ほうこう小田原をだはらしろ
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「学道の人は先づ須く貧なるべし。財おほければ必ずその志を失ふ。在家学道のものなほ財宝にまとはり、居処きょしょをむさぼり、眷属けんぞくに交はれば、たとひその志ありと云へども、障道の因縁いんねん多し。」龐公ほうこうは俗人であるが僧侶に劣らなかった。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)