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方嚮
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ほうこう
ふりがな文庫
“
方嚮
(
ほうこう
)” の例文
いつか
小川町
(
おがわまち
)
の広い電車通りへ出て来て、そこから神保町の
方嚮
(
ほうこう
)
へと歩くのだったが、その辺は不断通っていると、別に何の感じもないのだったが
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「田居に」の「に」は
方嚮
(
ほうこう
)
をも含んでいる用例で、「
小野
(
をぬ
)
ゆ秋津に立ちわたる雲」(巻七・一三六八)、「
京方
(
みやこべ
)
に立つ日近づく」(巻十七・三九九九)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この思想の
方嚮
(
ほうこう
)
を一口に言えば、懐疑が修行で、虚無が
成道
(
じょうどう
)
である。この方嚮から見ると、少しでも積極的な事を言うものは、時代後れの馬鹿ものか、そうでなければ
嘘衝
(
うそつ
)
きでなくてはならない。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
右に
方嚮
(
ほうこう
)
を転ずるや否や
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
後にしばしば彼の気持を支配して来た職業心理というものも混ざりこんではいなかった。ただ
方嚮
(
ほうこう
)
のない生活意慾の、
根柢
(
こんてい
)
からの動揺でしかなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
考の別記に、「御歌を奉らせ給ふも老は御乳母の子などにて御
睦
(
むつまじ
)
き故としらる」とあるのは、事実は問わずとも、その思考の
方嚮
(
ほうこう
)
には間違は無かろうとおもう。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そこには
蝋燭
(
ろうそく
)
の
灯
(
ひ
)
の炎の
靡
(
なび
)
く
方嚮
(
ほうこう
)
によって人の運命を占うという老婆が、じめじめした薄暗い部屋に坐りこんでいて、さっそく葉子の身の上を占いにかかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
併し、「に」に
方嚮
(
ほうこう
)
(到着地)を示す用例は無いかというに、やはり用例はあるので、「
粟島
(
あはしま
)
に漕ぎ渡らむと思へども
明石
(
あかし
)
の
門浪
(
となみ
)
いまだ騒げり」(巻七・一二〇七)。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
反対の
方嚮
(
ほうこう
)
へと
雪崩
(
なだ
)
れがちで、逆に歓楽を追求する傾向にあり、避難民で行っていた
田舎
(
いなか
)
から足を洗って来たばかりの銀子たちも、出先で猛烈な
掠奪戦
(
りゃくだつせん
)
が始まり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
瑞西
(
スイス
)
の首都
Zürich
(
チュリヒ
)
をば午後二時十分発の急行列車で立った。そして、
方嚮
(
ほうこう
)
を東南に取り、いわば四方から湖に囲まれたという姿の、
Rigi
(
リギ
)
の山上に一夜泊ろうとしたのであった。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
しかし自分の取るべき
方嚮
(
ほうこう
)
について、親たちに相談しようというはっきりした考えもなかったし、話してみてもお前の好いようにと言うに決まっているのだったが
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
松島の商売も赤字つづきで、仕送りも途絶えがちになったので、今度は
方嚮
(
ほうこう
)
をかえ公園へ出た。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
嚮
漢検1級
部首:⼝
19画
“方”で始まる語句
方
方々
方法
方向
方角
方丈
方面
方便
方寸
方言