沈黙の塔ちんもくのとう
高い塔が夕の空に聳えている。 塔の上に集まっている鴉が、立ちそうにしてはまた止まる。そして啼き騒いでいる。 鴉の群れを離れて、鴉の振舞を憎んでいるのかと思われるように、鴎が二三羽、きれぎれの啼声をして、塔に近くなったり遠くなったりして飛んで …