“譫語”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわごと52.3%
うわこと13.6%
うはごと11.4%
たわごと9.1%
うはこと6.8%
せんご4.5%
たはごと2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
モハヤアノ譫語うわごとハ、譫語ヲ装ッテイルノデアルヿヲ疑ウ餘地ガナクナッタ。トスルト、何ノ目的デサヨウナヿヲスルノデアロウカ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
人の好い医者を頼んで見て貰うと、傷寒しょうかんだと云った。それは熱が高いので、譫語うわことに「こら待て」だの「逃がすものか」だのと叫んだからである。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
想ふに彼等の驚愕おどろき恐怖おそれとはその殺せし人の計らずも今生きてきたれるに会へるが如きものならん。気も不覚そぞろなれば母は譫語うはごとのやうに言出いひいだせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
熱の譫語たわごととも聞えなかった。と言って子供の口からこんな言葉が出ようとも思われなかった。私は夢を辿る気がした。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
熱劇しくて譫語うはことのみ言ひしを、エリスがねもごろにみとる程に、或日相澤は尋ね來て、余がかれに隱したる顛末をつばらに知りて、大臣には病の事のみ告げ、よきやうに繕ひ置きしなり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
右に付小弟次第に譫語せんごす、宜しく妄聴し給はる可く候。先づ大兄は先大人せんたいじんの子と云所から、弱冠にして登庸せられ候。正大せいだいの直言をし、罪を被り帰されても宜しく候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
云出し浴衣ゆかたのまゝ夜中やちうに飛出したり處は木曾の山中やまなかなり雨あがりに道は惡し行先は何やら勝手知れず其うへ飛出してから氣が付けば足の痛みありそして車は更なり家もなしドウも木曾山中の夜景は妙だとは酒の云せる譫語たはごとにて矢鱈やたらと豪傑がる拙者は
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)