“言出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いひだ34.6%
いいだ15.4%
いひい15.4%
いいい7.7%
いひいだ3.8%
いいいず3.8%
いいいだ3.8%
いいいで3.8%
いひだし3.8%
コチヅ3.8%
コチデ3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はげしいヒステリイ症の女で前の航海には船医が大分だいぶ悩まされたと話して居る。その女が今夜突然また此処ここから上海シヤンハイへ引返すと言出いひだした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
松田駅の待合室で次の下りを待合せている間、伯父は色々解らないことを言出いいだして三造を弱らせた。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
これを言出いひいでたるのち、いのちをはり、又これを言出でたるあとは、かしらを胸にれて、あたかも老僧が聖祭せいさいを行ひつゝ絶命する如くならむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
ある時父兄の前に言出いいいでて、自分は一代法華いちだいほっけをして、諸国を経廻へめぐろうと思うから、何卒どうか家を出してくれと決心の色をあらわしたので、父も兄も致方いたしかたなく、これを許したから、娘は大変喜んで
千ヶ寺詣 (新字新仮名) / 北村四海(著)
想ふに彼等の驚愕おどろき恐怖おそれとはその殺せし人の計らずも今生きてきたれるに会へるが如きものならん。気も不覚そぞろなれば母は譫語うはごとのやうに言出いひいだせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
扨大鞆は言出いいいずるよう
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
何やらむ言出いいいだてんとする途端、たちまち大地のゆらゆらと動出ゆるぎいだせしに、あれ! と叫びて思わず仙太の体にすがりも着かせず、さながら百雷一時に落つる如き響とともに
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
れど彼れ翌日は静かに余が室に入来いりきたり再び礼を繰返したる末、意外にも余に晩餐の饗応せんと言出いいいでたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
バイロンが英国を去る時の咏歌のうちに、「誰れか情婦又は正妻のかこちごとや空涙そらなみだ真事まこととし受くる愚を学ばむ」と言出いひだしけむも、実に厭世家の心事を暴露せるものなる可し。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
山伏祭文の如きは、卜部系統の物であつて、陰陽師として、祓の代りに、山の神霊に向つて胸中極秘の事を言出コチヅる。日本古代の峠の神に対した方式を、懺悔サンゲと言ふ形に理会して、表白した。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
足柄の御坂ミサカカシコみ、くもりゆの底延シタバへを、言出コチデつるかも(万葉巻十四)