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言出
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いひだ
劇しいヒステリイ症の女で前の航海には船医が
大分悩まされたと話して居る。
其女が今夜突然また
此処から
上海へ引返すと
言出した。
男は、
自分の
口から
言出した
事で、
思ひも
掛けぬ
心配をさせるのを
氣の
毒さうに、
半ば
打消す
口吻で
終電車の
通り
過る
頃につかまへた
客は
宿屋へ
行つてから
翌朝まで
泊りたいと
言出す
始末であつた。
此人は
何でも十三四の
頃から
読売新聞に
寄書して
居たので、
其の
文章を見た目で
此人を
看ると、
丸で
虚のやうな
想がしました、
後に
巌谷も
此の
初対面の時の事を
言出して
アンドレイ、エヒミチはイワン、デミトリチの
顏付、
眼色抔を
酷く
氣に
入つて、
如何かして
此の
若者を
手懷けて、
落着かせやうと
思ふたので、
其寐臺の
上に
腰を
下し、
些と
考へて、
偖言出す。
ともあれ
勘藏といふものある
以上なまなかの
事言出して
疑ひの
種になるまじとも
言ひ
難しお
爲にならぬばかりかは
彼の
人との
逢瀬のはしあやなく
絶もせば
何かせん
然るべき
途のなからずやと
惑ふは
心つゝむ
色目に
何ごとも
顯はれねど
出嫌ひと
聞えしお
高昨日は
池の
端の
師匠のもとへ
今日は
恁う
仰々しく
言出すと、
仇の
髑髏か、
毒藥の
瓶か、と
驚かれよう、
眞個の
事を
言ひませう、さしたる
儀でない、
紫の
切を
掛けたなりで、一
尺三
寸、
一口の
白鞘ものの
刀がある。
斯う噂をして居たが、和上に
帰依して居る
信者の
中に、
京の
室町錦小路の
老舗の呉服屋夫婦が
大した
法義者で、十七に成る
容色の好い
姉娘を
是非道珍和上の
奥方に
差上げ
度いと
言出した。
恁う
成ると、
最う
外聞なんぞ
構つては
居られない。
魅まれたか
誑されたか、
山路を
夢中で
歩行いた
事を
言出すと、
皆まで
恥を
言はぬ
内に……
其の
若い
男が
半分で
合点したんです。
けれども
言出した
事は、
其の
勢だけに
誰一人深切づくにも
敢て
留めやうとするものは
無く、……
其の
同勢で、ぞろ/\と
温泉宿へ
帰る
途中、
畷を
片傍に
引込んだ、
森の
中の、とある
祠へ
何かの
折の
御馳走に、
哥太寛が、——
今夜だわね——
其の
人たちを
高樓に
招いて、
話の
折に、
又其の
事を
言出して、
鸚鵡の
口眞似もしたけれども、
分らない
文句は、
鳥の
聲とばツかし
聞えて