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毒藥
救しなり
或時彼の四人
打寄て
耳語やう又七
事是迄種々非道になすと雖も此家を
出行景色なし
此上は如何せんと
相談しけるにお
常は
膝を
進め是は
毒藥を
恁う
仰々しく
言出すと、
仇の
髑髏か、
毒藥の
瓶か、と
驚かれよう、
眞個の
事を
言ひませう、さしたる
儀でない、
紫の
切を
掛けたなりで、一
尺三
寸、
一口の
白鞘ものの
刀がある。
……
萬一、
此藥が
毒藥であったら? ロミオどのと
縁組させておきながら、
此の
婚禮をさすときは、
宗門の
恥となるによって、それで
予を
殺さうといふ
深い
陰謀の
毒藥ではあるまいものでもない。