“仇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あだ67.6%
かたき28.9%
あた0.8%
がたき0.8%
あど0.4%
きゅう0.4%
0.2%
かた0.2%
がた0.2%
0.2%
アダ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彫刻といふものに何の理解もない法王は、この芸術家の折角の注文をあだに聞き過して、どうしても定めの椅子につかうとしなかつた。
「きっと太郎たろううみのあっちへいって、自分じぶん味方みかたれてくるんだろう。そして、かたきうちをするんだろう。そうするとおそろしいな。」
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一席申し上げます、是は寛政十一年に、深川元町ふかがわもとまち猿子橋さるこばしぎわで、巡礼があたを討ちましたお話で、年十八になります繊弱かよわい巡礼の娘が、立派な侍を打留うちとめまする。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だってあきんどの身になれは、同じ町内にあんな大きな商売がたきができてみると、糊口みすぎが立ってゆくかゆかないかの瀬戸ぎわですもの」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すがって頼むようにあどなく云って、しっかり格子につかまって、差覗きながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
支那の劉松年、きゅう十州、銭滄州せんそうしゅうあたりの扮本ふんぽんを手にでもいれると、まったく妻も子も、米の事もない、天地の一孤夫こふ草雲だった。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若侍を最初にち棄てて、返す刀に二人を倒おしたまま何事ものう引取ったものじゃ……しかし、それにしても若侍の事が何とのう不憫に存じた故、それからのちに人の噂を聞かせてみたところが
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わしは自分の過去の青年時代や、自分の受けたすべての侮辱に対してかたき討ちをするんです!
ルコック探偵には、商売がたきのボンクラ探偵の登場が絶対に必要なものがあり、それによってルコックの修業時代が表現されているのであるが、その他の亜流の作品には必然性というものはない。
探偵小説を截る (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
予備門よびもんに入学して一年いちねんばかりぎての事であるが、山田やまだの第二中学にる時分から早くすで那様こんな了見りやうけんが有つたらしいのです、一年いちねんぜん其志そのこゝろざしいだいたわたしだ小説のふでつて見なかつたのであるが
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
君ト予トハ元ヨリアダデハナク、君ノ厳父ハ、予ノ先輩デアリ、長ジテハ、君ト知ッテ、史ヲ語リ、兵ヲ談ジ、天下ノ為、大イニ成スアランコトヲ、誓イアッタ友ダッタ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)