“仇敵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたき46.7%
きゅうてき35.2%
あだがたき10.7%
がたき1.6%
きうてき1.6%
てき1.6%
あだ0.8%
あだかたき0.8%
きゆうてき0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
太政大臣のことをよい親戚しんせきを持ったようにあなたは喜んでいらっしゃいますが、私には前生にどんな仇敵かたきだった人かと思われます。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
等しく君の仇敵きゅうてきである。裏切者としての厳酷なる刑罰を待っていた。撃ちころされる日を待っていたのである。けれども私はあわて者。
狂言の神 (新字新仮名) / 太宰治(著)
親身のお父さんでさへ、あたしには仇敵あだがたきもおんなしだわ——好きでもない波蘭人のとこなんかへ無理やりお嫁に行かせようとするんだもの。
探ってみると、それが賭場で顔見知りの御家新なので、一石二鳥と出かけて今夜草加屋殺しを演じ、犬を使って疑いの矢を恋仇敵がたきへ向けようとしたのだった。
暗中の仇敵きうてきたる宗勝は、父子の対面に先だつこと四年、延宝七年に亡くなつてゐた。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
昨日の親友は今日の仇敵てきとなり、二人は互に露子の愛をかちえようとあせったが、結局恋の凱歌は八十助の方に揚がった。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それをおもふとわたしため仇敵あだといふひと一人ひとりくて、あの輕忽そゝくさとこましやくれて世間せけんわたしのあらを吹聽ふいちやうしてあるいたといふ小間こまづかひのはやも、口返答くちへんたふばかりしてやくたゝずであつた御飯ごはんたきのかつ
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「たとえ、先々、仇敵あだかたきになろうとも、この人を殺すのは、あまりにもむごい」
彼はこの痛苦の堪ふべからざるに任せて、ほとほと前後を顧ずして他の一方に事を為すより、往々その性の為す能はざるをも為して、さざること仇敵きゆうてきの如く、債務をせまりて酷をきはむるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)