“世間”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せけん90.1%
よのなか6.6%
1.3%
せかい0.7%
せげん0.7%
モンド0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世間せけん人々ひとびとは、このうわさをみみにするとおおさわぎでありました。そこにもここにも、あつまって金色こんじきうおはなしをしたのであります。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分は当時の世間よのなかに事実全身に刺青ほりものをなし万引まんびきをして歩いたやうな毒婦が幾人いくたりあつたにしても、其れをば矢張やはり一種の芸術的現象と見倣みなしてしまふ。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
人間の箇々ここの消長や、文化の変転の何ものをも見ることはできなかったけれども、ふもとから登ってくるものの噂によると、どうして、この半年ほどの間に、世間のなかの変りようは
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は女が今広い世間せかいの中にたった一人立って、一寸いっすんも身動きのできない位置にいる事を知っていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勿論新しい作者の戯曲を選択して世間せげんに紹介する事も国立劇場の目的の一部であるが、其れはの劇場の多数が争うて新作を紹介する今日こんにちに国立劇場が積極的に力を用ふべき所で無い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
朝日の文芸欄などは、楢崎佐保子の「時と世間モンド」という別荘生活者の夏季随筆だけをつづけてのせている。伸子は、不思議な気がした。
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)