“世間咄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せけんばな50.0%
せけんばなし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慧鶴は折角、寝ても覚めても思索一途にはまり込めるようになった心境の鍛錬を俗人との世間咄せけんばなしに乱されてしまうのは惜しくて堪らなかった。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
長閑気のんきでこうして遊びに来るとは、清吉おまえもおめでたいの、平生いつも不在るすでも飲ませるところだが今日は私はかまえない、海苔のり一枚焼いてやるも厭ならくだらぬ世間咄せけんばなしの相手するも虫が嫌う
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
紅葉もまた打解けて少しもわだかまりがなく用件以外の四方山よもやま世間咄せけんばなしをしてその夜をかした。
社交的応酬は余り上手でなかったが、慇懃いんぎん謙遜な言葉に誠意があふれて人を心服さした。弁舌は下手でも上手でもなかったが話術に長じていて、何でもない世間咄せけんばなしをも面白くあじわわせた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)