“更”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
39.3%
さら18.1%
あらた14.0%
11.3%
かわ3.2%
2.6%
こう2.4%
あらたま1.4%
ふか1.4%
ふけ1.1%
かう0.6%
0.5%
0.5%
かは0.4%
がわ0.4%
ざら0.4%
あら0.4%
おそ0.3%
かへ0.3%
ふく0.3%
0.2%
かえ0.2%
もッ0.2%
かはり0.1%
たがひ0.1%
ふたた0.1%
0.1%
0.1%
もっ0.1%
もつ0.1%
カハ0.1%
マタ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よる大分だいぶんけてゐた。「遼陽城頭れうやうじやうとうけて‥‥」と、さつきまで先登せんとうの一大隊だいたいはうきこえてゐた軍歌ぐんかこゑももう途絶とだえてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
かつらならではとゆるまでに結做ゆひなしたる圓髷まるまげうるしごときに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだま後插あとざしてんじたれば、さら白襟しろえり冷豔れいえんものたとふべきく——
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私はちょっかいを出すように、おもてを払い、耳を払い、頭を払い、袖を払った。茶番の最明寺さいみょうじどののような形を、あらためてしずか歩行あるいた。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まるで捨身すてみのかまえとしか見えない。もし位置をえて、信玄がそれに拠るとしたら、信玄は決して晏如あんじょとしていられない気がする。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背中から左の横腹や腰にかけて、あそこやここでかわがわる痛んで来る事は地獄で鬼の責めを受けるように、二六時中少しの間断もない。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
どんなに世の中が、あるいは政府が、これが一番だと推奨してくれても、私が好まないものであれば、恋愛はらに起らないのだ。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
どっちも強情我慢の変物同士へんぶつどうしだ。えいッ! うむ! 喧嘩右近と魚心堂先生、一進一退、三こうの街上に不思議な綱引きをつづけている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あらたまつてのはなしとは何事なにごとだらうと、わたくしにわかにかたちあらためると、大佐たいさ吸殘すひのこりの葉卷はまきをば、まど彼方かなたげやりて、しづかにくちひらいた。
見舞に来た隣近所の者が帰って、表の戸をおろした後、草臥くたびれ休めの茶を沸して駄菓子を食いなどして、互いに無事を祝して夜をふかした。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
次の年の夏、韓国にあるわが子寛の重き病わづらふよし聞きていたく打歎きしが、十一月二日夜ふけて門叩くを誰かと問へば、寛の声なりけり。
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
かうけて、天地の間にそよとも音せぬ後夜ごやの靜けさ、やゝ傾きし下弦かげんの月を追うて、冴え澄める大空を渡る雁の影はるかなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
広き庭にては池のあなた、籬の隅、あるは小祠の陰などのやゝ高き樹。春まだけぬに赤くも白くも咲き出したる、まことに心地好し。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
衣更えの気分 次に第二の句は「衣え手につくあいにおいかな」というのですが、この句は、つまり、「衣更え」と「手につく藍の匂い」という、二つに解剖してみる事ができます。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
こく——亞尼アンニーかほ——微塵みじんくだけた白色檣燈はくしよくしようとう——あやしふね——双眼鏡さうがんきやうなどがかはる/\ゆめまぼろしと腦中のうちゆうにちらついてたが
背中から左の横腹や腰にかけて、あそこやここでかわがわる痛んで来る事は地獄で鬼の責めを受けるように、二六時中少しの間断もない。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
博士はぼやきながら眉をしかめたが、そんな取沙汰を思ふと、まんざら悪い気持もしないらしかつた。
背中にしっかりっ付いている、早速とり出して、写真機のレンズをあらためると、幸にきずもついていない、フィルムは撮し残りがたった二枚あるだけで
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
六年前に来た時、例の汚い宿で、金鱗湖のこいは名物であるから見て来いと勧められて、夜おそくなって見に行ったことがあった。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
少しもお前の料簡が妾の腹には合点のみこめぬ、能くまあ思案仕直して親方様の御異見につい従ふては下されぬか、お前が分別さへかへれば妾が直にも親方様のところへ行き
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
御覽ごらん其所そこおけばお光は會釋ゑしやく行燈あんどう引寄ひきよせしきりに見るそばで茶を菓子くわしすゝめながら其の横顏よこがほをつく/″\とながめてこゝろおもふやう自分じぶんの方からふくるを待ちおや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夜は、もうけて居た。谷川のタギちの音が、段々高まつて来る。二上山の二つの峰の間から、流れくだる水なのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
床の間の画幅は三百円の品を二百円の品にかえても生存上に影響はないからのこりの百円を以て勝手道具を買てみ給え。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もう羽織はなしで、つむぎだか銘仙だか、夫とももッい物だか、其も薩張さっぱり分らなかったが、なにしても半襟の掛った柔か物で、前垂まえだれを締めて居たようだった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
四季の変、天気のかはりは勿論、一日の中でも、一刻一刻に不思議にも色と形とを改めるは此山です。それだからこの山の見える処に住む女房は、皆なこれを晴雨計にします。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
蝋燭のほのほと炭火の熱と多人数たにんず熱蒸いきれと混じたる一種の温気うんきほとんど凝りて動かざる一間の内を、たばこけふり燈火ともしびの油煙とはたがひもつれて渦巻きつつ立迷へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
郁子いくこが話の切れ目へふたたびスミスさんを持ち込んだ。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
珈琲店キヤツフエに夜かしをして帰つて寝巻に着へようとする度、襯衣しやつの下から迄コンフエツチがほろほろとこぼれて部屋中に五しきの花を降らせた。しか巴里パリイで第一にさかんな祭は三月のミカレエムだと云ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『では、だおまへはそれをらないんだわ』とつてあいちやんは、『でも、おまへさなぎつてから——何時いつかしら屹度きつとわかるわ——それからてふになるときに、 ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いざ戦闘となっても負けずにく戦う——いやもっ手際てぎわが好いかも知れぬてな。
にし何処のふとだかね? ワルソウのふとだか、それとももつと遠くのふとだか? いつから煉瓦積になつたのけ?」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
あて人の家自身が、それ/\、農村の大家オホヤケであつた。其が次第に、官人ツカサビトらしい姿にカハつて来ても、家庭の生活には、何時イツまでたつても、何処ドコか農家らしい様子が、残つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
途端 磁器の様な太陽がマタ一つ昇つた。
真昼:―― 或るESQUISSE ―― (新字旧仮名) / 李箱(著)