“更”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
42.2%
さら16.6%
あらた15.1%
11.3%
こう2.5%
かわ2.1%
2.1%
あらたま1.7%
ふか1.3%
ふけ1.0%
(他:36)4.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“更”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語17.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
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「そんなに思召おぼしめすのならしかたがございません。では早くいらっしゃいまして、夜のけぬうちにお帰りなさいませ」
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
紅葉もまた打解けて少しもわだかまりがなく用件以外の四方山よもやま世間咄せけんばなしをしてその夜をかした。
これ等の犯罪的天才は大抵たいていは小説の主人公になり、さらに又所謂いわゆる壮士芝居の劇中人物になつたものである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おこしてもそれ折角せつかく同伴者つれかたあつさらきようすこともしないなら
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
私はまた座敷に取って返して衣服をあらため、女中には、都合で外へ泊ってくるかも知れぬといい置いて、急いでまた出て来た。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
礼廻りから帰った彼は、村の仲間入すべく紋付羽織にあらためて、午後石山氏にいて当日の会場たる下田氏の家に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
用のない奥さんには、手製のアイスクリームを客に振舞ふるまうだけの余裕があると見えた。私はそれを二杯えてもらった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は看護婦を相手に、父の水枕みずまくらを取りえて、それから新しい氷を入れた氷嚢ひょうのうを頭の上へせた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ある夜は、木枕をならべ、薄いしとねしかつぐ五こうに、思わず、指と指のふれあって、胸をわかすこともあろう。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやお顔いろもすぐれず、ほどなく四こう(夜明け)にもなりましょう。暁とともに、ここは御発足の手筈にございますが」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その場は話を打ち切った。越前は、そのままにするつもりでいたところ、月がかわると、左膳の方から、いきなり押しかけて来た。
奉行と人相学 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「そうか、詩人か。」神様は二人の男が詩人だと聞いて、いくらか気持がかわったらしく、急に調子を荒らげて相手の雑人を叱りつけた。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
どんなに世の中が、あるいは政府が、これが一番だと推奨してくれても、私が好まないものであれば、恋愛はらに起らないのだ。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
らに第二の徳川政府を見るにぎざるべしと一般に予想よそうしたるも無理むりなき次第しだいにして
晃 何、あらたまって、そんな心配をするものか。……晩方閉込とじこんで一燻ひといぶし燻しておくと、蚊が大分楽になるよ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今夜こんやあらたまつて、すこしおはなもうことがある。』とわたくしかほ凝視みつめた。
正月の寒い晩、歌留多カルタに招かれた彼は、そのうちの一間で暖たかい宵を笑い声のうちふかした記憶もあった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この一軒にまた、人がたくさん集まった。餅をついたり、酒をのんだり、めでたいめでたいと歌ったりして夜をふかした。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母君ふけるまでいさめたまふ事多し、不幸の子にならじとはつねの願ひながら、折ふし御心みこころにかなひ難きふしのあるこそかなし。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
家付の我儘娘、重二郎は学問にって居りますから、ふすまを隔てゝふけるまで書見をいたします。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かうけて、天地の間にそよとも音せぬ後夜ごやの靜けさ、やゝ傾きし下弦かげんの月を追うて、冴え澄める大空を渡る雁の影はるかなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
かうけてみなわかとき令史れいしつまうまる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夏侯覇は、命を奉じて、わずか二十騎ほどを連れ、繚乱りょうらんの秋くらけた曠野の白露はくろを蹴って探りに行った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
――時、すでに春けて建安二年の五月、柳塘りゅうとうの緑は嫋々じょうじょうと垂れ、※水の流れはぬるやかに、桃の花びらがいっぱい浮いていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
衣更えの気分 次に第二の句は「衣え手につくあいにおいかな」というのですが、この句は、つまり、「衣更え」と「手につく藍の匂い」という、二つに解剖してみる事ができます。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「まあ日の暮れねえうちはやって来まいが、油断をしていると、この前の時のように、飛んだ泡を食わなければならねえ、明日は少し方角を変えて、山の手の白梅亭はくばいていあたりへ宿えをしよう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらためてお前をの人の弟子でしにしてもらふ、如何どう
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
人としてあらたまった、身も震うような新鮮な意気と熱情とを以て人として生き抜こう為に、箇性の命ずる方向に進展して行こうとする女性の希望と理想とは、真実に深く激しいものである。
概念と心其もの (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
六年前に来た時、例の汚い宿で、金鱗湖のこいは名物であるから見て来いと勧められて、夜おそくなって見に行ったことがあった。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
楠は夜おそくなつて濟まなかつた事や、本を貸して呉れた事の禮やらを今夜は殊に丁寧に小さな聲で云つて歸つて行つた。相島は楠が返してよこした書物三四册を抱へて書齋に這入つて來た。
半日 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
それに引きかええて先の方は、さのみ焦心あせりもせず疲れも見せず、また御方のような追手があるのも無関心のていで、たちまち護持院ヶ原を走り抜け、やがてもう牛ヶ淵の濠端から、富士見坂の上り勾配こうばいへ差しかかろうとする。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多くは亡国の分子を含んでいる。小山君、君にもその位な道理の分らん事はあるまいがただ古来の習慣を改めにくいために勝手道具の買入方を躊躇ちゅうちょするのだろう。床の間の画幅は三百円の品を二百円の品にかえても生存上に影響はないからのこりの百円を以て勝手道具を買てみ給え。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
翌朝は心地さはやかに生れかはりたる如くにて、われはフエデリゴに對して心のうちの喜を語ることを得たり。
けれどもかれ此日このひからうまかはりました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
田原の町には電燈が明るくついてゐて、賑かに人が往き来してゐた。草鞋をぬいで宿屋の二階で二人が向ひ合つた時は、生きかへつたやうな思ひがした。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
お前が分別さへかへれば妾が直にも親方様のところへ行き、何にか彼にか謝罪あやまり云ふて一生懸命精一杯、打たれても擲かれても動くまい程覚悟をきめ、謝罪つて謝罪つて謝罪りいたら御情深い親方様が、まさかに何日まで怒つてばかりも居られまい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
博士はぼやきながら眉をしかめたが、そんな取沙汰を思ふと、まんざら悪い気持もしないらしかつた。
「うむ、まんざら心当りがねえでもねえのよ。まあ、逢って見ねえことにゃあ――」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
もう羽織はなしで、つむぎだか銘仙だか、夫とももッい物だか、其も薩張さっぱり分らなかったが、なにしても半襟の掛った柔か物で、前垂まえだれを締めて居たようだった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それよりももッと不思議なは、忽然として万籟ばんらい死して鯨波ときのこえもしなければ、銃声も聞えず、音という音は皆消失せて、唯何やら前面むこうが蒼いと思たのは、大方空であったのだろう。
蝋燭のほのほと炭火の熱と多人数たにんず熱蒸いきれと混じたる一種の温気うんきほとんど凝りて動かざる一間の内を、たばこけふり燈火ともしびの油煙とはたがひもつれて渦巻きつつ立迷へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
御本尊様の前の朝暮ちょうぼ看経かんきんには草臥くたびれかこたれながら、大黒だいこくそばに下らぬ雑談ぞうだんには夜のふくるをもいとい玉わざるにても知るべしと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
珈琲店キヤツフエに夜かしをして帰つて寝巻に着へようとする度、襯衣しやつの下から迄コンフエツチがほろほろとこぼれて部屋中に五しきの花を降らせた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いざ戦闘となっても負けずにく戦う――いやもっ手際てぎわが好いかも知れぬてな。
其が次第に、官人ツカサビトらしい姿にカハつて来ても、家庭の生活には、何時イツまでたつても、何処ドコか農家らしい様子が、残つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夜は、もうけて居た。谷川のタギちの音が、段々高まつて来る。二上山の二つの峰の間から、流れくだる水なのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
時のけ過ぎた事が、彼等の心には、現実にひし/\と、感じられ出したのだらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)