“衣更”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ころもが57.9%
ころもがえ26.3%
きか5.3%
ころもかへ5.3%
ころもがへ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御手打おてうちの夫婦なりしを衣更ころもがへ」や「いねかしの男うれたききぬたかな」も、やはり複雑な内容を十七字の形式につづめてはゐないか。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
追々暑くなって来たので、僕達はこの間の日曜に衣更ころもがえをした。妹達も弟も皆大きくなって、去年の一重ものの揚げを下さなければならなかった。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
九月と云えば、暗いのも、あかるいのも、そこいら、……御神燈なみに、なり、おめしなり単衣ひとえもの衣更きかえるはず。……しょぼしょぼ雨で涼しかったが葉月の声を聞く前だった。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
撫院をはじめ諸士歩行せし故、路険に労して背汗濈濈しふ/\たり。すなはち撫院きぬひとつぬぎたり。忽ち岩頭に芭蕉の句碑あり。一つ脱で背中に負ぬ衣更ころもかへといふ句なり。古人の実境を詠ずる百歳の後合する所あり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
蕪村はこの金鎖きんさを破り、発句を自他無差別むしやべつ大千世界だいせんせかいへ解放した。「お手打てうちの夫婦なりしを衣更ころもがへ」「負けまじき相撲を寝物語かな」等はこの解放の生んだ作品である。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)