ふく)” の例文
御覽ごらん其所そこおけばお光は會釋ゑしやく行燈あんどう引寄ひきよせしきりに見るそばで茶を菓子くわしすゝめながら其の横顏よこがほをつく/″\とながめてこゝろおもふやう自分じぶんの方からふくるを待ちおや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まつりの田町たまちあねのもとへ使つかひを吩附いひつけられて、ふくるまで我家わがやかへらざりければ、ふでやのさわぎはゆめにもらず、明日あすりて丑松うしまつ文次ぶんじそのほかくちよりこれ/\でつたとつたへらるゝに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御本尊様の前の朝暮ちょうぼ看経かんきんには草臥くたびれかこたれながら、大黒だいこくそばに下らぬ雑談ぞうだんには夜のふくるをもいとい玉わざるにても知るべしと、評せしは両親を寺参りさせおき、鬼の留守に洗濯する命じゃ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)