“五更”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごこう75.0%
よあけ8.3%
ごかう8.3%
よあけまえ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五更ごこう(午前三時—五時)に至って、張はまた起きた。しもべを呼んで燈火をつけさせ、髪をくしけずり、衣服をととのえて、改めて同宿の孟に挨拶した。
「うんにゃ。この鶏は、ただの鶏とはわけが違う。時報ときとりといって、狂いなく五更よあけを告げるんで、この界隈かいわいでの共同の物になっているのだ。さあ生かして返せ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一一〇五更ごかうそら明けゆくころ一一一うつつなき心にもすずろに寒かりければ、一一二ふすまかづかんとさぐる手に、何物にや籟々さやさやと音するに目さめぬ。
しかしまたしばらくするとそれは、甘いようなすすり泣きに変り、夫婦らしい密語にしいんとひそまッて、なお、しゅくしゅくと、五更よあけまえ残灯あかめもともにまたたきいているふうだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)