“密”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひそ40.8%
そっ19.2%
ひそか11.8%
そつ9.6%
6.1%
みつ5.4%
こつそ1.7%
そッ0.5%
みそか0.5%
こま0.5%
ひっそ0.5%
ヒソ0.5%
かく0.2%
0.2%
こつ0.2%
こまか0.2%
こまやか0.2%
さざ0.2%
しの0.2%
そつと0.2%
そツ0.2%
0.2%
ひそめ0.2%
ひそや0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いよ/\城の運命が幾何いくばくもないことを悟って、八歳になる嫡男と六歳になる姫君とを、乳人めのとに預けてひそかに或る方面へ落してやった。
で、そっと離れたところから突ッ込んで、横寄せに、そろりと寄せて、這奴しゃつが夢中で泳ぐ処を、すいときあげると、つるりと懸かった。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
問題の長持は、おせいがいて貰い受けて、彼女からひそかに古道具屋に売払われた。その長持は今何人なんぴとの手に納められたことであろう。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見るなとかたせいせしは如何なるわけかとしきりに其奧の間の見まほしくてそつ起上おきあがり忍び足して彼座敷かのざしきふすま押明おしあけ見れば此はそも如何に金銀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
暫時しばらく經つと、お雪は小さい手でと老爺の禿頭を撫でて見た。ああ、毎晩、毎晩、水をつけてるのに、些ともまだ毛が生えてゐない。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、或る日、閲武坊えつぶぼうの辻で、ひょっこり魯智深ろちしんと行き会った。彼とは、あれからも数回飲みあって、いよいよ交友みつなるものがあったが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お雪はこつそりと板の間に上つて——、老爺の枕邊に坐つたが遣瀬もない佗しさが身に迫つて、子供心の埒もなく、涙が直ぐに星の樣な目を濕した。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
我身なかばはその蝶にしたるかと、お雪は呆れ顔をして身内を見たが、にわかに色を染めてそッと少年を見ると、目を開かず。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
豊雄、刀自とじにむかひて、兄の見とがめ給はずとも、みそかに姉君を一五三かたらひてんと思ひ設けつるに、一五四はやさいなまるる事よ。
その微笑もなまめかしく身ぶりもなまめいていた。なか高のうりざね顔で、眉と眼のあいだが広く、きめのこまかな白い膚に、ふっくりとした唇が、なまなましいほど赤かった。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お妙は格子戸を出るまでは、仔細しさいらしく人目を忍んだようだけれども、こうなるとあえて人聞きをはばかるごとき、低い声ではなかったのが、ここで急にひっそりして
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ココニ、今年七月十五日ノ生辰ショウシンヲ期シ、又モ十万貫ノ不義ノ財貨ヲヒソカニ都門東京トウケイヘ輸送セントス。天冥テンミョウアニコノ不義ヲ許スベケンヤ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
受納じゆなふなせしは即ち賄賂也わいろなり下役黒崎又左衞門市田武助其方共も受納じゆなふ致せしならんと有に兩人は今上役の理左衞門が白状なせし上はかくすもえきなしと思ひ上役の申付に違背ゐはいも如何と存じ金三兩づつ受納せしと言ければ大岡殿假令上役の申付なりとて不正ふせいの金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
森とよばれる、ブーローニュ公園を後にした樹木にんだ坂道の、高級な富人の家ばかりある土地で、門構えの独立した建築物たてものそろっているところにお雪は平安に暮してはいる。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
なしてそれがしが宅へこつそりさし置きなば何時貴君が御出でも名代床みやうだいどこの不都合なく御とまり成るも御勝手次第幾日いくか居續ゐつゞけし給ひても誰に遠慮ゑんりよも内證も入らずさうなる時は小夜衣がいのちの親とも存じます何卒なにとぞ五十兩の御工風くふう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その落ちるのが余りこまかなので、遠い所の街灯の火がおおわれて見えない。
橋の下 (新字新仮名) / フレデリック・ブウテ(著)
が、ともかくも五日十日と、その後無事に日が流れて、二人の恋は愈々益々、そのこまやかさを加えて行った。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それゆえに手を分けて、毎夜、川すじの怪しい舟をあらためているのじゃが、只今、この土橋どばしのほとりへまいったところ、下の小舟のとまのうちで、甘やかな、女のさざごとが洩れる……
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左すれは貴公の鑑定では先ず奸夫まおとこと見たのだナ奸夫かんぷが奸婦としのび逢て話しでも仕て居る所へ本統の所夫おっとの不意に帰って来たとか云う様な訳柄わけがらで(大)爾です全く爾です
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
かれに取るゝ共時宜じぎよらば長庵めを恨みの一たうあびかけ我も其場でいさぎよく自殺をなしうらみをはらさんオヽさうじや/\と覺悟を極めかねて其の身がたしなみの脇差わきざしそつと取出して四邊あたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まことみませぬがおとほしなすつてくださりまし、なるたけお昼寝ひるね邪魔じやまになりませぬやうにそツ通行つうかういたしまする。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ベーカーの説に、かかるへた紅海にも産し、ある海藻とともに諸香に合せ婦女の身をふすぶると、猫に天蓼またたびほど男子を惹きくる由。
ひそめいてふのがきこえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
語調の可笑しさの正體がそれと知れてくると、その可笑しさが次から次へと移つて行つて、ひそやかなどよめきが教室の中にみなぎつた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)