“そつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソツ
語句割合
38.6%
18.8%
10.9%
10.9%
7.9%
3.0%
2.0%
2.0%
1.0%
1.0%
曾都1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不圖、旅人は面白い事を考出して、そつと口元に笑を含んだ。紙屑を袂から出して、紙捻こよりを一本ふと、それで紙屑を犬の尾にゆはへつけた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『其晩、そつと一人で大きいざるを持つて行つて、三十許り盜んで來て、僕に三つ呉れたのは、あれあ誰だつたらう、忠志君。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
駐在所ちうざいしよたよ」悉皆みんななかくびれるやうにしてそつかたつた。悉皆みんなしきりに輸臝かちまけにのみこゝろうばはれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そつの張飛という者が、一命を助けてくれたので、うれしさの余り、何か礼を与えようと思ったが、身に持っている物は、剣と茶壺しかなかったので、やむなく
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昼に近いころまで源氏は寝室にいたが、そのうちにそつの宮がおいでになり、三位中将も来邸した。面会をするために源氏は着がえをするのであったが
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
貢さんは、阿母さんの機嫌を損じたなと思つたので、そつせなを向けて四五あし引返した。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
抽斗ひきだしすかして、そつ背負揚しよいあげ引張出ひつぱりだしてると、白粉おしろいやら香水かうすゐやら、をんな移香うつりがはなかよつて、わたしむねめうにワク/\してた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
と、はいりかねている様子の男は、以前からここへは時折遊びに来るお人好しのそつ八であります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして私が水をいでやつた時、そつ叮頭おじぎをするのは藤野さん一人であつた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「さうだらう。其方の人相は、どう買ひかぶつても惡人といふ相ぢやない。鼻がそつくり返つて、眼尻が下がつて、齒が少し亂杭らんぐひだな。そんな刻みの深い顏は、總て善人か愚人ぐじんにあるものぢや」
次に久米くめ摩伊刀まいと比賣、次に伊呂いろ比賣、次に葛城かづらき長江ながえ曾都そつ毘古は、玉手の臣、的の臣、生江の臣、阿藝那の臣等が祖なり。また若子わくごの宿禰は、江野の財の臣が祖なり。
『そうよ。』と言つて『おゝ薄ら寒い』としづは銀之助に寄りそつた。銀之助は思はず左の手をしづの肩に掛けかけたがした。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
今日けふは日曜なので阿母おつかさんが貢さんをおこさずにそつと寝かして置いた。で、貢さんの目覚めざめたのは朝の九時頃であつた。十歳に成る貢さんはひとり衣服きものを着替へて台所へ出て来た。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
すると、老僧はその茶碗を手にとつて底に一滴も殘さぬやうに仰向いて茶碗を啜り、空になつた茶碗をそつと茶托の上に伏せて置かれた。人は平素の行儀を一朝にして改むることは出來ない。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)