“ひき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒキ
語句割合
26.1%
15.6%
13.5%
8.8%
7.3%
4.5%
比企3.6%
2.6%
2.6%
1.4%
1.2%
1.2%
0.9%
0.9%
蟾蜍0.7%
0.7%
誹毀0.7%
0.5%
落籍0.5%
0.5%
悲喜0.5%
蝦蟇0.5%
0.5%
誹譏0.5%
0.5%
閨閥0.2%
0.2%
0.2%
引率0.2%
弾者0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
秘機0.2%
0.2%
紹介0.2%
0.2%
0.2%
退0.2%
非譏0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さかなの食べたがる物ですよ、それを針の先へつけて、水の中へ入れて置くと、さかなが来て食ひつく、食ひつくところひきあげるの。
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
『わざわざ遠方とおくからあまたの軍兵つわものひきいて御出征おいでになられるようなことはありませぬ……。』橘姫たちばなひめはそうっしゃってられました。
その時こうのにわとこのかげからりすが五ひきちょろちょろ出てまいりました。そしてホモイの前にぴょこぴょこ頭を下げてもうしました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
……ふと心附いて、ひきのごとくしゃがんで、手もて取って引く、女の黒髪が一筋、糸底を巻いて、耳から額へほっそりと、頬にさえかかっている。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひきのはちがちいさなくちにくわえてきた材料ざいりょうを、自分じぶんくちからるつばでかためていくのでありましたから、なかなかたいへんなことです。
はちの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すぐそれをなます、から揚げ、汁、蕃椒煮とうがらしにといろいろ料理させたが、ものの二ひきとは食べきれたものではない。あと四、五尾は笹に通して
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕事として大きいのは比企ひき小川おがわ町の手漉紙てすきがみであります。川に沿うて点々と昔ながらの紙漉場かみすきばを見られるでしょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「おのれ人間ひとの子をきずつけながら、まだ飽きたらでたけり狂ふか。憎き狂犬やまいぬよ、今に目に物見せんず」ト、ひき立て曳立て裏手なる、えんじゅの幹につなぎけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かくあるべきもの、かくあり度いものとして彼方に予想する女性の生活は、遙に今日実際在るその物よりも自分の心をひきつけた。
概念と心其もの (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
(十) その翌年、弟子冉有が季康子きこうしのために師をひきい斉と戦って勝った。季康子がそれについて尋ねると、冉有ぜんゆう軍旅ぐんりょのことを孔子に学んだと答えた。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
舜すでに天子とり、また天下の諸侯をひきいて以て堯の三年の喪を為さば、これ二の天子あるなり。(『孟子』、万章上)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
兎に角此の二人は、他人の一身上に重大な關係をひき起すやうな記事を捏造する憎むべき新聞記者であつた。
これをしないのはわずか数人を出ない資産家か、反対に日傭取ひようとりや馬車ひきなどに限られている。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)
阿母おふくろが死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉いっときに二ひき斃死おちた馬を売って、自暴やけ酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、かゆも薄くなる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
春の藪くぐもる蟾蜍ひきのふたたびと声つづかねばひとりうとしも
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
人造金の指輪ゆびわ売りや、暗記術速習の本を売る書生風の男や、それから薄暗い横町の電柱の陰ではつばれた帽子で目隠しをしたヴァヰオリンひきの唄売りなど
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
しかれども神は彼の三人の友に勝りて約百ジョブを愛し賜いしにあらずや、衆人の誹毀ひきに対し自己の尊厳と独立とを維持せしむるにおいて無比の力を有するものは聖書なり、聖書は孤独者の楯、弱者の城壁
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
山々の喬木たかききも春二月のころは雪にうづまりたるがこずゑの雪はやゝきえ遠目とほめにも見ゆる也。此時たきゞきるやすければ農人等のうにんらおの/\そりひきて山に入る、或はそりをばふもとおくもあり。
姉さんとか、小芳さんとか云って、先方さきでも落籍ひき祝いに、赤飯ぐらい配ったろう、お前食ったろう、そいつを。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
京子をひき殺してやろう、というのだ。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
その度毎に明あん悲喜ひきこもごもいたる二人のかほ附たるやおさつしに任せる次第だ。
あつい襖を隔てて他人ひとのすること一から十まで言い当てらるる。お師匠さまが白紙しらかみを切って、印をむすんで庭に投げられたら、大きいひきめがその紙に押しつぶされて死んでしもうた
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし、またこの説に対して反駁を試みる者は、論者は善良な人々に対して不自然な誹譏ひきを予想するものであるといって攻撃の矢をむくいたりした。ある者はまた次のように論じた。
馬車ひき老爺おやぢは丁度厩の前で乾秣やたを刻むところであつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
また、資産、権勢、閨閥ひきなども、空拳からてでよく築き上げられます。時には、親譲りのこれらのものが、運命開拓に却って邪魔になることさえあります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのほか、祖先や両親、親族等から与えられる生活上のいろいろの便宜、例えば資産、権勢、閨閥ひき等もまた、浮世のいわゆる運命をある程度まで支配することがあります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
狭手彦の軍をひきひて、任那みまなを鎮め、また高麗こまちしことはふみに見ゆ。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
景公けいこう穰苴じやうしよしてとも兵事へいじかたり、おほいこれよろこび、もつ將軍しやうぐんし、へいひきゐてえんしんふせがしむ。穰苴じやうしよいは
しかも大勢の人数であって、その大勢の支那人達は部落の土人に味方して白人達に引率ひきいられている侵入軍を向こうに廻して戦っているということであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自棄やけに弾くギタルラ弾者ひきと、癪持しやくもち
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
極め甚右衞門外兩人の者も其の夜は寺にとまりける此日は三月節句の事なれば村方むらかた所々じよ/\にて宵の中は田舍唄ゐなかうた又は三味線などひきて賑ひ名主九郎右衞門方へも組頭くみがしら佐治右衞門周藏しうざう忠内ちうない七左衞門等入來いりきたり座頭に儀太夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
著者ポール氏自らかの孤児院に往きてその一人を延見ひきみしに普通の白痴児の容体で額低く歯やや動作軽噪時々歯を鳴らし下顎ひきつる
らずひきしかばなどたまるべき微塵みぢんになりてうらみをのこしぬぢやうさま御覽ごらんじつけてどくがりたまこのそこねたるは我身わがみらせよかはりにはあたらしきのを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ととかかの生きてゐるあひだから無理無態にしてけふまで引きずつて來たのぢやないか、それをさ、時々ひきつけるやうになつて別れろ失せろつて、一たい、おめえはそれでも正直な人間かい
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
でも、興にふれると是が非でも、つきとめたいのが万太郎の性質、なおも追求して、目明しの秘機ひき饒舌しゃべらせようとすると
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五十歳の時より自ら十八と称ししばしば民家に来れど飲食せず、つねに人にき事をせよと教ゆ、もし悪事をさば我常に猫児三、五ひきして汝を巡検し来り報ぜしめんと語るとたちまち見えぬ
ところがこゝに怪物に紹介ひき合せようといふ人が出ました。訊すと医学士で歌人のS氏の奥さんです。S氏ならばわたくしの浅い知人でした。
怪物と飯を食ふ話 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
いかめしい、戒律そのもののようなむずかしい顔をした長老は、噠𡃤喇嘛紛失ふんじゅつの一部始終を詳細に渡って語るのであったが、その長い話もひき縮めると、次のような要点になるのであった。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あの人は船頭でした。石崎樣のひきで江戸へ出て、あんなに繁昌してをります」
吾助は猶も追廻おひまはり進んでは退き退ひきては進み暫時しばし勝負は見ざりしに忠八は先刻せんこくよりこぶしにぎりてひかりしが今吾助が眼の前へ來りし時あしのばしかれが向ふずねすくひしかば流石さすがの吾助も不意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この点に謹慎きんしんし、修養していれば、一時いかなる非難非譏ひきを受けたとても、何らの弁解を試みずしてく晴天白日の身となり得ると思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)