ひき)” の例文
古志こし長岡魚沼ながをかうをぬまの川口あたりにて漁したる一番の初鮏はつさけ漁師れふし長岡ながをかへたてまつれば、れいとしてさけひきに(一頭を一尺といふ)米七俵のあたひたまふ。
阿母おふくろが死んだあとで、段々馬場も寂れて、一斉いっときに二ひき斃死おちた馬を売って、自暴やけ酒を飲んだのが、もう飲仕舞で。米も買えなくなる、かゆも薄くなる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえは焼けてしまってえのですから、国へ帰りいえを建て、田地を買い戻し、馬の二ひきも買うには三百両では足りねえようでがんす、それだけたまった金ではあるし
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
尋ねんなど思ひ續くるうち夜は明けしが嬉しや雨も止みぬ馬二ひき曳き來り二方荒神にはうくわうじんといふものに二人づゝ乘すといふ繪に見話には聞しが自ら乘るは珍しく勇み乘りて立ちいづれば雨の名殘の樹々の露えりに冷たく宿しゆく
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)