“頭飾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かみかざり18.2%
カザシ18.2%
コワツフ9.1%
あたま9.1%
かみかざ9.1%
かみのもの9.1%
かんむり9.1%
とうしょく9.1%
りぼん9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遊好あそびずきの若様は時間に関らず、横町で糸を切って、勇美子の頭飾かみかざりをどうして取ったか、人知れずたなそこもてあそんだ上に、またここへ来てその姿をあらわした。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時々、首を擡げて見やると、壱州イシユウらしい海神ワタツミ頭飾カザシの島が、段々寄生貝ガウナになり、鵜の鳥になりして、やつと其国らしい姿に整うて来た。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
爐の傍には起きたばかりの老婦達が、頭飾コワツフをしてんびりした樣子をしてぢつと坐つてゐた。少し明るくなるのを待ち兼ねて、彼女は祈祷をしに會堂へはいつた。
大きい花魁が万事突出し女郎の支度をして遣るんだそうで、夜具布団からしかけから頭飾あたまのものから、新造しんぞ禿かむろの支度まで皆その大きい花魁が致します。
或る時は、思いがけない大金をもうけることもありました。或る時は、大切の頭飾かみかざりなどを投げ出すようなこともありました。
貞白は妻の頭飾かみのものを典してこれを償うた。柏軒は後に聞き知つて気の毒がり、典物を受け出して遣つた。鉄三郎は榛軒の歿年に四歳になつてゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
青や赤や桃いろのリボンで拵らへた頭飾かんむりをかぶり、縫ひめ縫ひめを赤い絹絲でかがつて小さい銀の花形をつけた薄いルバーシュカを身につけ、背の高い踵鉄そこがねをうつたモロッコ革の長靴をはいて
紫のひもを以てもとどりうのが、当時の官吏の頭飾とうしょくで、優が何時までその髻を愛惜あいじゃくしたかわからない。人はあるいは抽斎の子供が何時斬髪したかを問うことをもちいぬというかも知れない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
 元住吉の野なか、車中からわたしは一羽のかさゝぎをみとめた。痩身長脚、羽根は霜を浴びたほどに白い。——たかい野のけやきにとまるとき、それは樹をひきたたせる頭飾りぼんとなつた。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)