頭飾かみかざり)” の例文
遊好あそびずきの若様は時間に関らず、横町で糸を切って、勇美子の頭飾かみかざりをどうして取ったか、人知れずたなそこもてあそんだ上に、またここへ来てその姿をあらわした。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立派な手廣な角店で、五彩目を奪ふ頭飾かみかざりの類がならべてある。店頭には、雨の盛に降つてゐるにもかゝはらず、蛇目傘じやのめがさをさし、塗足駄ぬりあしだ穿いた客が引きも切らず出入してゐる。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)