“愛惜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいせき53.7%
あいじゃく26.8%
あいじやく7.3%
いとし4.9%
いとほし2.4%
おしみ2.4%
をし2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文化人光秀の知性のすみには、多年信長の部将として働いて来ながらも、なお旧文化や旧制度への愛惜あいせきが整理しきれずよどんでいた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、すくなからず愛惜あいじゃくの念を生じたのは、おなじ麹町こうじまちだが、土手三番町どてさんばんちょうすまった頃であった。春も深く、やがて梅雨つゆも近かった。……庭に柿の老樹が一株。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし大いに東京を惜しんだと云ふわけぢやありません。僕はこんなにならぬ前の東京に余り愛惜あいじやくを持たずにゐました。
俺は俺自身が愛惜いとしい、命が惜しい、死に度くない、況して嘘か真実ほんとか第三者の中傷か、いざとなつたら二人のどちらが罪が重くなるだらうと一時はわなわな顫へたといふ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
俳諧の聖芭蕉でさへも、旅に病んでは寂しかつたか、夢は枯野をかけめぐると、云うたではないか。お互ひに大切だいじにする事だ、愛惜いとほしい物は命だと、私が云へば、妻も寂しく笑つて噎せた。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
時には富豪のように散じ、時には貧者のように貯えて、愛惜おしみ濫費むだづかいの別が見えないのであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
わざびとやわざに遊ぶといにしへは一生ひとよの命かけて愛惜をしみき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)