“あいじゃく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愛惜50.0%
愛着18.2%
哀寂13.6%
愛著9.1%
相酌9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その作たる、われながら見とれるほどの出来と見ましたけれど、白雲はそれに愛惜あいじゃくするのいとまを与えずに、早くもここを出立するの用意を整えてしまい
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
薄野呂うすのろか何ぞのような眠たげな顔をして、いつ話のはずむと云うこともない小野田と親しくなるにつれて、不思議な意地と愛着あいじゃくとがお島に起って来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
相談の上で、万吉の体は、やがて蒲団ふとんぐるみ、そッと戸板へのせられた。そして、哀寂あいじゃくとした夕暮、その戸板を黙々として守る人々が桃谷のかれの家へ移って行った。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自然は偉大な容相をもって常にわれわれの目の前にある。これに驚嘆し、これに愛著あいじゃくし、そうして、俳句に適した範囲内のものを諷詠する。其処そこに俳句の天地がある。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
そこでおれは時々自分の家で飲む時には必らず今の太郎坊と、太郎坊よりは小さかった次郎坊とを二ツならべて、その娘と相酌あいじゃくでもして飲むような心持で内々ないない人知らぬ楽みをしていた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)