“哀寂”の読み方と例文
読み方割合
あいじゃく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが? ……と世阿弥はすぐに後の哀寂あいじゃくにうたれたさまで、おそろしく光る、そして空虚な目を、あてなく空に向ける。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相談の上で、万吉の体は、やがて蒲団ふとんぐるみ、そッと戸板へのせられた。そして、哀寂あいじゃくとした夕暮、その戸板を黙々として守る人々が桃谷のかれの家へ移って行った。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
哀寂あいじゃくな夕雲は、矢来やらいの上におもくたれて、一しゅん、そこを吹く風もハタとんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)