“矢来”のいろいろな読み方と例文
旧字:矢來
読み方割合
やらい95.8%
ここ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕ぐれの風が、矢来やらいの竹にカラカラとものさびしい音を鳴らすほか、むらがった大衆たいしゅうも、シーンとして、水のようにひそまっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
式が果ててから松本と須永と別に一二人棺につき添って火葬場へ廻ったので、千代子はほかのものといっしょにまた矢来やらいへ帰って来た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
淫売婦いんばいと思えば汚いけれどお宮は、ひどく気に入った女だったが、彼女あれがいなくなっても、お前が時々、矢来ここへ来て其様なことを言って、婆さんと、蔭ながらでも私の噂をしているかと思えば
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)