“矢来下”の読み方と例文
読み方割合
やらいした100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
矢来下やらいした行き電車に乗って、理研前りけんまえで止めてもらおうとしたが、後部入り口の車掌が切符切りに忙しくてなかなか信号ベルのひもを引いてくれない。
破片 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
牛込うしごめ柳町の電車停留場から、矢来下やらいしたの方へ通じる広い通りを三、四町行くと、左側に、自動車がはいれるかどうかと思われるくらいの狭い横町があって、先は少しだらだら坂になっていた。
漱石の人物 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
若松屋惣七は、町人らしい縞の着物にその杖をついて、江戸川を渡って、築土片町つくどかたまちのほうから矢来下やらいしたへ抜けて行った。陽がかんかん当たって、走りづかいのやつこなどの笑い声のする往来であった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)