私が漱石と直接に接触したのは、漱石晩年の満三個年の間だけである。しかしそのおかげで私は今でも生きた漱石を身近に感じることができる。漱石はその遺した全著作よりも大きい人物であった。その人物にいくらかでも触れ得たことを私は今でも幸福に感じている …
著者 | 和辻哲郎 |
ジャンル | 哲学 > 東洋思想 > 日本思想 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日本文学 |
初出 | 「新潮」1950(昭和25)年12月号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約23分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約39分(300文字/分) |