“烙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
78.4%
あぶ10.8%
やか2.7%
やき2.7%
やきがね2.7%
やきばん2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同時に、将門にとっては、拭うことのできない「反逆者」「乱暴者」という印象を、堂上公卿の頭にきつけてしまったものであった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどは自分から立っていって薄暗い厨房ちゅうぼうの調理台にあった兎のももみたいなあぶり肉を右手に一本つかみ、それを横へくわえかけた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも其感触は、恰も熱鉄にやかれたやうに、わしの手首を燃やすのである。彼女だ。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
それはごく薄い、やっと見えるか見えないぐらいの、薄衣ヴェールのようなものだったが、しばし悲しいやき印の跡を、覆うているかのように見えた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
宮は貫一が事を忘れざるとともに、又長く熱海の悲き別を忘るるあたはざるなり。更に見よ。歳々としどし廻来めぐりくる一月十七日なる日は、その悲き別を忘れざる胸にやきがねして、彼の悔を新にするにあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
本妻は鉄を赤く焼いてからその乳のあたりにやきばんをしたが、しあわせなことには秀才は心がやさしくて可愛がってくれたので、やや自分で慰めることができた。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)