浜尾四郎
1896.04.24 〜 1935.10.29
著者としての作品一覧
悪魔の弟子(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
××地方裁判所検事土田八郎殿。 一未決囚徒たる私、即ち島浦英三は、其の旧友にして嘗ては兄弟より親しかりし土田検事殿に、此の手紙を送ります。 検事殿、あなたは私を無論思い出して居らる …
読書目安時間:約51分
××地方裁判所検事土田八郎殿。 一未決囚徒たる私、即ち島浦英三は、其の旧友にして嘗ては兄弟より親しかりし土田検事殿に、此の手紙を送ります。 検事殿、あなたは私を無論思い出して居らる …
彼が殺したか(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間23分
若し私があなた方のような探偵小説作家だったら、之からお話しようとする事件を一篇の興味深い探偵小説に仕組んで発表するでしょう。然し単に一法律家に過ぎぬ私が、憖じ変な小説を書けば世の嗤 …
読書目安時間:約1時間23分
若し私があなた方のような探偵小説作家だったら、之からお話しようとする事件を一篇の興味深い探偵小説に仕組んで発表するでしょう。然し単に一法律家に過ぎぬ私が、憖じ変な小説を書けば世の嗤 …
彼は誰を殺したか(新字新仮名)
読書目安時間:約27分
男でもほれぼれする吉田豊のやすらかな寝顔を眺めながら中条直一は思った。 「こんな美しい青年に妻が恋するのは無理はないことかも知れない。どう考えても俺は少し年をとりすぎている。ただ妻 …
読書目安時間:約27分
男でもほれぼれする吉田豊のやすらかな寝顔を眺めながら中条直一は思った。 「こんな美しい青年に妻が恋するのは無理はないことかも知れない。どう考えても俺は少し年をとりすぎている。ただ妻 …
殺された天一坊(新字新仮名)
読書目安時間:約28分
あれ程迄世間を騒がせた天一坊も、とうとうお処刑となって、獄門に梟けられてしまいました。あの男の体は亡びてもあの悪名はいつ迄もいつ迄も永く伝えられる事でございましょう。世にも稀な大悪 …
読書目安時間:約28分
あれ程迄世間を騒がせた天一坊も、とうとうお処刑となって、獄門に梟けられてしまいました。あの男の体は亡びてもあの悪名はいつ迄もいつ迄も永く伝えられる事でございましょう。世にも稀な大悪 …
殺人鬼(新字新仮名)
読書目安時間:約9時間5分
美しき依頼人二、三日前の大風で、さしも満開を誇つた諸所の桜花も、惨ましく散りつくしてしまつたろうと思われる四月なかばごろのある午後、私は勤先の雑誌社を要領よく早く切り上げて、銀座を …
読書目安時間:約9時間5分
美しき依頼人二、三日前の大風で、さしも満開を誇つた諸所の桜花も、惨ましく散りつくしてしまつたろうと思われる四月なかばごろのある午後、私は勤先の雑誌社を要領よく早く切り上げて、銀座を …
殺人狂の話:(欧米犯罪実話)(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
殺人という大罪を犯すには種々な動機がある。一番多いのは、怨恨とそれから利慾だろう。 怨みで人を殺すもの、金をとろう又は財産を得ようとして人を殺すもの、これ等はずい分数もあり日常の新 …
読書目安時間:約22分
殺人という大罪を犯すには種々な動機がある。一番多いのは、怨恨とそれから利慾だろう。 怨みで人を殺すもの、金をとろう又は財産を得ようとして人を殺すもの、これ等はずい分数もあり日常の新 …
殺人迷路:08 (連作探偵小説第八回)(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
十日の勝負 「いいえ、僕の云ってる事は決して嘘や空想じゃありません。たしかにあいつです。今お話したバーで見た怪しいあの男です」 星田代二は生れてはじめて検事局の調室に引張り出されて …
読書目安時間:約6分
十日の勝負 「いいえ、僕の云ってる事は決して嘘や空想じゃありません。たしかにあいつです。今お話したバーで見た怪しいあの男です」 星田代二は生れてはじめて検事局の調室に引張り出されて …
死者の権利(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間2分
実際あった犯罪事件というものはあなた方にとっては割に面白くないものですよ。私達法律家から見て、非常に面白いと見えるものは却ってあなた方の興味を惹かないようですし、またあなた方が特に …
読書目安時間:約1時間2分
実際あった犯罪事件というものはあなた方にとっては割に面白くないものですよ。私達法律家から見て、非常に面白いと見えるものは却ってあなた方の興味を惹かないようですし、またあなた方が特に …
正義(新字新仮名)
読書目安時間:約43分
「ほう、すると君は今日あの公判廷に来て居たのか。……そうだったのか」 「ええ、あの事件の初めから終りまで傍聴して居ました。あの、あなたが弁護してやってる森木国松っていう被告人ですね …
読書目安時間:約43分
「ほう、すると君は今日あの公判廷に来て居たのか。……そうだったのか」 「ええ、あの事件の初めから終りまで傍聴して居ました。あの、あなたが弁護してやってる森木国松っていう被告人ですね …
黄昏の告白(新字新仮名)
読書目安時間:約41分
沈み行く夕陽の最後の光が、窓硝子を通して室内を覗き込んでいる。部屋の中には重苦しい静寂が、不気味な薬の香りと妙な調和をなして、悩ましき夜の近づくのを待っている。 陽春のある黄昏であ …
読書目安時間:約41分
沈み行く夕陽の最後の光が、窓硝子を通して室内を覗き込んでいる。部屋の中には重苦しい静寂が、不気味な薬の香りと妙な調和をなして、悩ましき夜の近づくのを待っている。 陽春のある黄昏であ …
途上の犯人(新字新仮名)
読書目安時間:約37分
東京駅で乗車した時から、私はその男の様子が気になり出した。思いなしではなく、確かにその男の方でもじろじろと私の方にばかり注意して居る。 色の青白い、三十四、五の痩せた男である。身な …
読書目安時間:約37分
東京駅で乗車した時から、私はその男の様子が気になり出した。思いなしではなく、確かにその男の方でもじろじろと私の方にばかり注意して居る。 色の青白い、三十四、五の痩せた男である。身な …
夢の殺人(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
「どうしたって此の儘ではおけない。……いっそやっつけちまおうか」 浅草公園の瓢箪池の辺を歩きながら藤次郎は独り言を云った。然し之は胸の中のむしゃくしゃを思わず口に出しただけで、別段 …
読書目安時間:約26分
「どうしたって此の儘ではおけない。……いっそやっつけちまおうか」 浅草公園の瓢箪池の辺を歩きながら藤次郎は独り言を云った。然し之は胸の中のむしゃくしゃを思わず口に出しただけで、別段 …
“浜尾四郎”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)