“やき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤキ
語句割合
34.3%
夜気26.9%
11.9%
夜氣10.4%
八寸3.0%
3.0%
反淬1.5%
1.5%
嫉妬1.5%
火葬1.5%
1.5%
1.5%
陶器1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くさかるかまをさへ買求かひもとむるほどなりければ、火のためまづしくなりしに家をやきたる隣家りんかむかひて一言いちごんうらみをいはず、まじはしたしむこと常にかはらざりけり。
宛転悠揚えんてんゆうようとしてわたしの心を押し沈め、我れを忘れていると、それは豆麦や藻草のかおり夜気やきの中に、散りひろがってゆくようにも覚えた。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「今朝柳橋で顏を合せると——お膝元の殺しを知らずにゐるやうぢや、錢形の親分もやきが廻つたね——て言やがる」
二人はウ※トクロスからの動搖れ通しの長い馬車に、筋ばつてゐた、寒い夜氣やきに冷えきつてゐた。しかし二人の樂しげな面差は、明るい火に照らされて、輝かしさを増した。
さいはひ、主人、大場石見は大の馬好き、近頃手に入れた『東雲しのゝめ』といふ名馬、南部産八寸やきに餘る逸物いちもつに、厩中間うまやちうげんの黒助といふ、若い威勢の好い男を附けて貸してくれました。
やきもちやきの女房も、極道者の亭主も、彼には服した。飢餓や病魔のお化けにとッつかれて多年不幸の底にあった因果な家庭も、そこへ、親鸞の明るい顔が訪ねてゆくと
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
反淬やきの深さ、やわらかい鉄へ鍛鉄した、鋼鉄の刃の合一によって出来る、奇妙な波のような線等を検査することによってのみ、決定されねばならぬ。
困るんでさ、まったく、私ときたら、男のくせにやきもちやきでね。……まあ、お寄んなさいな。寄らなければいい。こんど、お友達のお鈴さん、小枝さえださん、みな様がお買い物にみえたら、たんとお喋舌しゃべりを
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとどうでしょうお柳という女は、わたしをジロリと見返しましたが、「いいじゃアないか、お嫉妬やきでないよ」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火葬やき場からの帰途、それは薄曇りの日であつたが、白つぽい道の上を歩きながら、死んだ弟の次の弟が、訊かれたでもないのに、フト語り始めるのであつた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
それはごく薄い、やっと見えるか見えないぐらいの、薄衣ヴェールのようなものだったが、しばし悲しいやき印の跡を、覆うているかのように見えた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「何です、たかゞ土でひねつたやきものぢやありませんか、おまけにひゞの入つてゐる——」
小町の芍薬 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
自分も拝借をしておりましたし、まだふたつばかり据えてありました陶器やきものの床几しょうぎを進めると、悪く辞退もしないでしずかに腰をかけたんですが、もみじの中にその姿で、いかにも品がい。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)