“やけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤケ
語句割合
自棄62.5%
自暴28.1%
3.4%
1.7%
0.9%
自暴自棄0.9%
類焼0.6%
0.3%
嫉妬0.3%
少々自棄0.3%
(他:4)1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自棄やけのやん八で度胸を据ゑた日にやあ、相手が大岡樣でもなんでも構はねえ、云うだけのことは皆んなべら/\云つて遣らあ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
と、そろそろかんだかくなったのが初まりで、それから手酌の茶碗酒が、自棄やけのやん八とまでさせて来たものであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金助は左の手に持ち替えていた折を、自暴やけに振り上げて米友のかおへ叩きつけようとしたのを、素早く面をそむけた米友が、
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『今日は奈何して、あゝ冷淡だつたらう?』と、智惠子の事を考へ乍ら、信吾は強く杖を揮つて、路傍の草を自暴やけに薙ぎ倒した。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
やけを起してあくる朝、おまんまを抜きにしてすぐに昼寝で、日が暮れると向うの飯屋へ食いに行って、またあおりつけた。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
加之しかも駐在所が一軒やけで、近所には何の事も無かった。の巡査も後に病気になったそうだよ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と言ひ/\、片手を髪の毛のなかに突つ込んで、なかから兎でも追ひ出すやうに、やけきまはす。
あごひげやけ興起おやした拿破崙髭ナポレオンひげに、チンの口めいた比斯馬克髭ビスマルクひげ、そのほか矮鶏髭ちゃぼひげ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
じつまたじつかれかせぎにかせぎ、百姓ひやくしやう勿論もちろんすみやけ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
勘次かんじこん筒袖つゝそで單衣ひとへやけあしみじかすそからた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
自暴自棄やけになってるからあぶないんだ! 乱入して来るぜ! 思慮分別なく! ……美作も兵馬もまじっているのだ!」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひとつにはどうで他人ひとにもられるのだからといふ自暴自棄やけ理窟りくつこゝろのうちに捏造ねつざうされるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
花魁無理だよ、能く考えて見なまし、おまはんは別に取り留めたお客もないのに、此の類焼やけの中で又しても/\そう/\内所ないしょはなしをした処が、おまはんが年季を増したのも幾度いくたびだか知れない、亭主のためとは云いながら
アンポンタンが知らない時分の大丸は、神田から出た北風ならいの火事には、類焼やけるものとして、くら戸前とまえをうってしまうと店をすっかり空にし、裸ろうそくを立てならべておいたのだという、妙な、とんでもない巨大おおき男店おとこだなだった。
「イヨーやけます引うらやましいぞ引。どうだ内海、エ、今の御託宣は。『文さんのような人が好きッ』アッたまらぬ堪らぬ、モウ今夜うちにゃ寝られん」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
これは、あんまり二人が仲よく茶を飲んでいるものですから、新鍋が嫉妬やけを起して沸騰をはじめたというわけではありません。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
久一きゅういちに、そんなものが解るかい」と老人が笑いながら聞いて見る。久一君は、少々自棄やけの気味で、
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其後天正の兵燹にもやけしこと幽斎紀行に見ゆ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
呼鈴が鳴って、八十人近くの市会議員がゾロゾロと市会議事堂に入った。みな煤煙にやけたような顔をして、少しも生々したところがない。たとえばどぶ溝の中の金魚のようなものである。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
と云って探らずには居られぬから、今は自狂やけの様で、前へ進み出で、右に左に探るうち今度は更に今の怪しい生物に探り当てた。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
腹の中は全く自狂やけの有様である。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「その七人の名を、みんなあなたに打明けたら、あなたも吃驚びっくりなさるでしょう、その人たちの恥にもなりますから、あたしは言いません……それも本来は、わたしが悪いんでしょう、茂太郎を可愛がり過ぎたから、茂太郎がいやがって逃げてしまい、その時からわたしは自葉やけになりましたの。あなた、突き落しちゃいやよ」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)