“浴衣地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆかたじ71.4%
ゆかたぢ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と娘達は言い合って、流行の浴衣地ゆかたじを叔父の前に置いた。目うつりのする中から、思い思いに見立てて来た涼しそうな中形ちゅうがたを、叔父にめて貰う積りであった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
無事に左の路を通り抜けたものには、景品の浴衣地ゆかたじをやるといい、それをえさにして見物を釣るのであるが、十六文の木戸銭で反物をむやみに取られては堪まらない。
すると、あちらの壁が無惨にくり抜かれてあつて、あらざらしの浴衣地ゆかたぢをカーテンみたいにしたのが、汚く垂れさがつてゐ、隣家の二階と通じてゐるのが分つたのである。
釜ヶ崎 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
おつぎはもう十九のあきであつた。おつぎは浴衣地ゆかたぢておしなはかつたのである。かみひるうち近所きんじよ娘同士むすめどうし汗染あせじみた襦袢じゆばんひとつの姿すがたたがひうたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)