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浴衣地
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ゆかたぢ
ふりがな文庫
“
浴衣地
(
ゆかたぢ
)” の例文
すると、あちらの壁が無惨にくり抜かれてあつて、
洗
(
あら
)
ひ
晒
(
ざら
)
しの
浴衣地
(
ゆかたぢ
)
をカーテンみたいにしたのが、汚く垂れさがつてゐ、隣家の二階と通じてゐるのが分つたのである。
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
おつぎはもう十九の
秋
(
あき
)
であつた。おつぎは
其
(
そ
)
の
浴衣地
(
ゆかたぢ
)
を
着
(
き
)
てお
品
(
しな
)
の
墓
(
はか
)
へ
行
(
い
)
つたのである。
髮
(
かみ
)
は
晝
(
ひる
)
の
内
(
うち
)
に
近所
(
きんじよ
)
の
娘同士
(
むすめどうし
)
が
汗染
(
あせじ
)
みた
襦袢
(
じゆばん
)
一
(
ひと
)
つの
姿
(
すがた
)
で
互
(
たがひ
)
に
結
(
ゆ
)
ひ
合
(
あ
)
うたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おつぎは
浴衣地
(
ゆかたぢ
)
へ
赤
(
あか
)
い
帶
(
おび
)
を
締
(
し
)
めた。
勘次
(
かんじ
)
は
紺
(
こん
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
單衣
(
ひとへ
)
で
日
(
ひ
)
に
燒
(
やけ
)
た
足
(
あし
)
が
短
(
みじか
)
い
裾
(
すそ
)
から
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
冥途
(
めいど
)
から
來
(
き
)
た
佛
(
ほとけ
)
が
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
に
宿
(
やど
)
つたしるしだといつて
必
(
かなら
)
ず
提灯
(
ちやうちん
)
が
墓地
(
ぼち
)
から
點
(
つ
)
けられるのである。おつぎは
勘次
(
かんじ
)
の
懷
(
ふところ
)
が
幾
(
いく
)
らか
暖
(
あたゝ
)
かに
成
(
な
)
つたので、
廉物
(
やすもの
)
ではあるが
中形
(
ちうがた
)
の
浴衣地
(
ゆかたぢ
)
も
拵
(
こしら
)
へて
貰
(
もら
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
浴
常用漢字
小4
部首:⽔
10画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“浴衣”で始まる語句
浴衣
浴衣姿
浴衣掛
浴衣形
浴衣一重
浴衣染帷子