“蔵”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
しま42.3%
かく18.1%
くら15.2%
おさ9.6%
ぞう5.3%
をさ2.4%
ざう1.6%
ぐら1.1%
カク1.1%
をさむ0.5%
つゝ0.3%
おさむ0.3%
おさめ0.3%
0.3%
かぐ0.3%
しまわ0.3%
しも0.3%
つつ0.3%
0.3%
むすめ0.3%
クラ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しまっておいたって仕様がないし、そうかといってウッカリ気心の知れないところに持って行ってお勧めする訳にも行きませんからね。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
因って衆をあつめ自身の夢と侍臣が見た所を語り、一同これはきっとその穴に財宝がかくされおり王がこれを得るに定まりいると決した。
くらにも室にも山をなしているのであるから、一日に五冊を読むとしても、仮りに五十年と見積れば十万冊は読んでいる勘定になります。
もう申し上げる必要はございませんでしょうが、あの酸化鉛のびんの中には、容器におさめた二グラムのラジウムが隠されてあったのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
というのがこの人の口癖であって、優しい容貌のうちに烈しい気性をぞうし、武家政治の時流に、鬱勃うつぼつたる不平を抱いているらしかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
禿頭といふのは真野博士が色々の智識ををさめてゐる頭の事で、林伯や児玉伯や馬鈴薯じやがいも男爵などの頭と同じやうにてかてか光つてゐる。
共に山精野鬼さんせいやきを借りて、乱臣賊子を罵殺せんとす。東西一双の白玉瓊はくぎよくけい金匱きんきざうに堪へたりと云ふべし。(五月二十八日)
すでに、蔵番くらばん哨兵しょうへい一隊は、そこらじゅうに叩きつけられてしまい、三番ぐらの鉄の扉は、滅茶苦茶に破壊されてしまっている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忌憚なく言へば、彼こそ憎むべき蛸である、人間の仮面を被り、内にあらゆる悪計をカクすところの蛸は即ち彼に外ならぬのである。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
蔵石ざうせきに名の高き人近年おびたゝし、も諸家の奇石きせきを見しに皆一家のをさむる処三千五千しゆにいたる、五日十日の日をつくしてやう/\をふる㕝をるにいたる
何も左様君のやうにつゝんで居る必要は有るまいと思ふんだ。言はないから、其で君は余計に苦しいんだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あたかもこれを筐中きょうちゅうに秘蔵するが如くせんとするも、天下、人をおさむるのはこなし、一旦の機に逢うてたちまち破裂すべきをいかんせん。
経世の学、また講究すべし (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
我越後の雪蛆せつじよはちひさき事ごとし。此虫は二しゆあり、一ツははねありて飛行とびあるき、一ツははねあれどもおさめ蚑行はひありく。共に足六ツあり、色ははへうすく(一は黒し)其る所は市中原野しちゆうげんやにおなじ。
アルプスの山ふところにくされた湖としては、余り凄みに乏しく、また、それを取りまく山々も、雪は近いが、水ぎわに氷河の垂れ下るような、きびきびした景色とはまるで違う
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
「なじょしてかぐして置ぐあんす。」
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
人々が何十年も、土足で踏みつけ踏みつけして、凹凸を作っている倉内の地面にも、掘れば、なお食するに足る物がしまわれていた。でより分け、ふるいにかけて、洗いあげる。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人間のぬけ殻をしもうた棺であることを知り、とてもいやな思いをして、あわてて逃げて帰ったことのあるそのものが、現にまだここに置き放してあるではないか。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
即ち「隠れて現われざる者なく、つつみて知れず露われ出ざる者なし」とのことである(路加ルカ伝八章十七節)、今世は隠微の世である、明暗混沌の世である、之に反して来世は顕明の世である
「されど両親は其語れる事をさとらず」と云ふのも恐らくは事実に近かつたであらう。けれども我々を動かすのは「其母これらのすべての事を心にめぬ」
続西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何が、あいつ等金持のむすめを狙うか? 奴等は荒れ屋敷、荒れ寺を目あてにして、今夜の陣を張っているのだ。もうこの橋を渡ったと、見当がつけばこっちのもの——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
博多ハカタ川に臨みて、以て宴遊す。……葛井フヂヰフネフミ武生タケフクラ、六氏の男女二百三十人歌垣に供奉す。……処女らに、壮夫ヲトコ立ち添ひ踏みならす……。