ぐら)” の例文
旧字:
すでに、蔵番くらばん哨兵しょうへい一隊は、そこらじゅうに叩きつけられてしまい、三番ぐらの鉄の扉は、滅茶苦茶に破壊されてしまっている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
油タンクや、飛行機のあなぐらをみつけては、ダイナマイトを植えていった。時計を見て、時刻をはかると導火線に火をつけた。さあ、あと三分間で爆発する。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「紅葉山下の作事場では、お書物ぐらの工事と、西裏御門の壁塗りとで、左官、植木職、土工、大工などははいっておるが、井戸掘りは一名もいないはずだぞ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸時代のかくぐらというのはこんな構造ではなかったか。——下では何をしているのか、ときどきゴトリゴトリという物音が聞えるばかりで、いつまでっても彼は出てこなかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、早口に言い渡し、そして彼自身は、郭北かくほく十八そうの一つ三番ぐらの方へ宙を飛んで行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郭北かくほくの倉庫十八棟のうちの三番ぐらに一人一人檻車かんしゃに入れて押し籠めてある。何しろ戦騒いくささわぎで手が廻らんでな。しかし、なるほど奴らを都へ送るにも、見ばえをよくしておく必要はあった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)