“ぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
55.7%
6.3%
6.3%
5.1%
5.1%
5.1%
5.1%
土蔵3.8%
3.8%
倉庫1.3%
薄暗1.3%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、しばらくそこに良吉りょうきちはいますと、やがてがうすぐらくなります。するとかれ名残惜なごりおしそうにかえってゆくのでありました。
星の世界から (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じゃ、ちッとこうしていたまえ。大丈夫だよ、淫褻いたずらなぞする本田にあらずだ……が、ちょッと……」と何やら小声で云ッて、「……ぐらいは宜かろう?」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
越前は、ふたたび、自室へもどって、文庫から、印籠をとり出し、またすぐ降りて、中庭門から、役宅ぐらの路地を抜け、幾廻りもして、柵門から獄舎の世界へ、通り抜けた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
油タンクや、飛行機のあなぐらをみつけては、ダイナマイトを植えていった。時計を見て、時刻をはかると導火線に火をつけた。さあ、あと三分間で爆発する。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分親元へ働に歸り候故助り申候、此者の一處に居候間の事は演舌にて分り候へども、其跡は推量に御坐候へ共、とかくぐら、奧藏などに心のこり、父子共に立のき兼
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そんな話を聞いたあとで、つくづく眺めたうすぐらい六畳の煤け障子にさして居る夕日の寂しい寂しい光を今も時々おもい出す。
地蔵尊 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
つれて、秘蔵の愛馬に西洋ぐらか何かで松代まつしろから乗り込んで来た時は、京都人は目をそばだてたものでした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
塩尻の社家主計かずえの屋敷で、一旦勘助を捕えたが、大して憎くない男だったので、覚蔵の家の内土蔵ぐらの中へ、冬次郎様と熊太郎とを、翻弄ほんろう的に閉じこめておいて、主計方へ帰って来た貝十郎は
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは界隈かいわい貧民ひんみんで、つい茗荷谷みやうがだにうへる、補育院ほいくゐんとなへて月謝げつしやらず、ときとすると、讀本とくほんすみるゐほどこして、其上そのうへ通學つうがくするの、ぐらしの親達おやたち父親ちゝおやなり、母親はゝおやなり
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ですから、一朝資本が調ととのえば、あとは洪水の如く水が向いて来る。そのことを考えて、とりあえず、この広い光仙林のいずれかに、隠し倉庫ぐらを建築しなければならぬ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
老主人夫婦と一人の給仕女との三人の家族の住む方は土地の傾斜のまゝに建てられて薄暗ぐらあなぐらの様に成つて居るし、客の席に当てた一室ひとまわづか十畳敷程の広さで
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
お蔦 やけの深酒ふかざけは毒と知りながら、ぐいぐいあおって暮すあたしに、一文なしも糸瓜へちまもあるもんか。お前さん大ぐらいだろうから、それじゃ足りない、これもあげるから持ってお行き。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)