“むすめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムスメ
語句割合
42.3%
35.2%
処女5.3%
息女3.1%
少女2.6%
處女2.0%
女子1.4%
養女1.2%
1.2%
女郎1.2%
土蔵0.6%
女児0.4%
令嬢0.4%
娘子0.4%
嬢子0.4%
女兒0.2%
愛女0.2%
0.2%
二女0.2%
姉妹0.2%
姐姐0.2%
小娘0.2%
少娘0.2%
童女0.2%
0.2%
處女子0.2%
養娘0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるのこと、むすめは、やまはやしなかへいつものごとくはいってゆきました。すると一のかわいらしい小鳥ことりが、いいこえいていました。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
開きれば一少艾衣類凋損ひとりのむすめきものそこねたれど妍姿傷みめそこねず問うてこれ商人のむすめ母に随い塚に上り寒食をすところを虎に搏たれ逃げ来た者と知り
どうぞ、あの処女むすめを罰しないで下さい。そうして、いつまでもいつまでも清浄きよらかにお守り下さいませ。そうして私も…………。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私はほかの金持の息子、息女むすめのようにたくさんの金をもらって長い間学校に行くことはできない。それではどうすればいいのであるか。
耳が動くといふと猫のやうだと、若い少女むすめは笑つてしまふかもしれなが、鬢でかくして來たくせがついて、とかく女の耳は愚圖のろまつたらしい。
夏の女 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
たゞパッチリして眼だけは、處女むすめの時其のまゝの濕みを有ツて、活々いき/\として奈何にも人を引付ける力があツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
二一吉備津きびつ神主かんざね香央造酒かさだみき女子むすめは、うまれだち秀麗みやびやかにて、父母にもよく仕へ、かつ歌をよみ、二二ことたくみなり。
十六七の頃から、彼女は下女達と交つて、客の前へ出るやうになつたが、家の養女むすめだといふのと、小作りの可愛気のある姿態ようすとで、大変客に可愛がられた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「ぢや、吾妻、彼奴きやつが山木のむすめを誘惑して、其の特別財産を引き出す工夫してると云ふのは、ありや真実ほんたうどうだ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
元豊は馬でそのへいの外を通っていたが、中から笑い声が聞えるので、馬をとどめ、従者にくらをしっかり捉えさしてその上にあがって見た。そこには二人の女郎むすめが戯れていた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「あれはお前、ああ見えたって、押しこみ、かたり、土蔵むすめ破りのたいした仕事師なんだとよ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何と挨拶あいさつもし兼ねて手持ちぶさたにさかずきを上げ下げして居しが、そののちおのが細君にくれぐれも女児むすめどもには書物を読み過ごさせな、高等小学卒業で沢山と言い含められしとか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
説をすものあり、曰く、桐楊のきりは男児に較べ、やなぎ令嬢むすめたちになぞらえたのであろう。漢皇重色思傾国いろをおもんじてけいこくをおもう……楊家女有ようかにじょあり、と同一おんなじ字だ。道理こそ皆美人であると、それあるいはしからむ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いだして娘子むすめの手を引かんとすれど子供はスネてか又は脊に負はれしおとゝを羨みてや兩手を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
... 調ととのうる者を欲しいだろ、因ってこの若い嬢子むすめを汝の婢なり妾なりにして取って置け」と聞いて豹殺し腰抜かすばかりよろこびながら「父様見やんせ、余りに衣類がやぶれているので、とてもこんな結構な品を ...
女兒むすめやさしき介抱にこゝろゆるみし武左衞門まくらつきてすや/\と眠りし容子にお光は長息といき夜具打掛てそつ退のきかたへに在し硯箱を出して墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何日いつとて云うて來ぬかモウ今日あたりは來然きさうな物と親父おやぢいへ女兒むすめもまた戀しい人と二世のえんむすぶに附てうれしさの一日ひとひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
カピ長 やゝ、これは! おゝ、我妻わがつまよ、あれ、さしませ、愛女むすめ體内みうちからながるゝ! えゝ、このけん住家すみかをば間違まちがへをったわ。
カピ長 おゝ、モンタギューどの、御手おんてをばあたへさせられい。これをこそ愛女むすめへの御結納ごゆひなうともおもひまする、ほかのぞみとてはござらぬわい。
わけても玉日は、いちばんの末娘ではあり、他の姉はみなとつぐべき所を得ているのに、このむすめだけが、とかく幾ら縁談があっても
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(あの一族のとこでは)とか、容易に嫁ぐといわないでもう世間なみからいえば、遅い婚期になっているのでもあるが、せめてこのむすめ一人だけは、いの身の側から離したくない気もするしで
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言わなくても母たちは、勝川へ藤木の二女むすめがずっといっているという事はしっていたのだった。
玉帳ぎょくちょうをつけていた庄次郎が、何気なく顔を上げてみると、それは、お蔦と寝る夜も、まぶたに消えたことのない——板新道いたじんみちの三人姉妹むすめの末娘、あの、お喜代だった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「相公の頼みたいというのは、どこの姐姐むすめさんですか」
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
之を聞きたる小娘むすめは左までに怪しみもせざりし。その容貌にも殊更に思はるゝところはあらざりしとなむ。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
なんゆへに、婬賣いんばい女につみおこな資本しほんりながら、香水料こうすいりよう慈惠じけいせしや、なんゆへ少娘むすめ困厄こんやくせしめし惡漢あくかんをうちひしぐなどの正義せいぎありて、しかしておのみづかひところすほどの惡事あくじせしや
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
童女むすめは早く眠りて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
何が、あいつ等金持のむすめを狙うか? 奴等は荒れ屋敷、荒れ寺を目あてにして、今夜の陣を張っているのだ。もうこの橋を渡ったと、見当がつけばこっちのもの——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
人知らぬ思ひに心をやぶりて、あはれ一山風ひとやまかぜに跡もなき東岱とうたい前後ぜんごの烟と立ち昇るうらわか眉目好みめよ處女子むすめは、年毎としごとに幾何ありとするや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
廿九歳で後家ごけになってから猶更なおさらパリパリしていた養母の亀吉は、よき芸妓としての守らねばならぬしきたりを可愛い養娘むすめであるゆえに、小奴に服膺ふくようさせねばならないと思っていた
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)