“令嬢”のいろいろな読み方と例文
旧字:令孃
読み方割合
れいじょう33.3%
ドモアゼル11.1%
むすめ7.4%
おあねえさま3.7%
パンノチカ3.7%
かた3.7%
マムズル3.7%
いと3.7%
じょうさん3.7%
むすめご3.7%
れいぢやう3.7%
ド・モアゼル3.7%
マダマアゼル3.7%
マドマゼル3.7%
マドモアゼル3.7%
ミス3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「アネモネにしましょうね、いまきかかったばかりなのですもの。」と、三にん令嬢れいじょうなかのいちばん年上としうえのがいいました。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同じく「令嬢ドモアゼル」という言葉も、またレイモンド嬢やシュザンヌ嬢のことをいっているのではなかった。なぜなら、その紙片かみきれはもっとずっと前に出来たものであったから。
かし、貴様、剛造の様な食慾無情の悪党に、あゝいふ令嬢むすめの生まれると云ふのは、理解すべからざることだよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いや就きまして……令嬢おあねえさまに折入ってお願いの儀が有りまして、幾重にも御遠慮は申しながら、辛抱に堪えかねて罷出まかりでました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
令嬢パンノチカはにつこり微笑わらつた。すると処女をとめたちは叫び声をあげながら、今まで鴉になつてゐた女をつれて、行つてしまつた。
其様そんなことは先生に取つて少しも珍らしく無いのだ、此頃はひど風評うはさが立つてるんだ——山木の梅子さんて令嬢かた
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
見せてもらわねえことには安心がならねえ。……ねえ、令嬢マムズルこれから、中庭へ引き出して手並みのほどを見べえじゃごぜえませんか
「へへ、わ、わたくしはお松云いまして令嬢いとはんのお世話をして居りますものでございます」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
解かば足にもとどくべき毛髪かみを、根あがりに堅くつめて前髪大きくまげおもたげの、赭熊しやぐまといふ名は恐ろしけれど、此髷これをこの頃の流行はやりとて良家よきしゆ令嬢むすめごも遊ばさるるぞかし、色白に鼻筋とほりて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あやまつた/\いまのはみんなうそうして中村なかむら令嬢れいぢやう千代子君ちよこくんともいはれるひとがそんな御注文ちうもんをなさらうはずがない良之助りやうのすけたしかにうけたまはつてまゐつたものは。ようございますなにりません。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それを頼りに、点のところへ、言葉になりそうな字を入れていった。その結果少年は、第二行から(令嬢ド・モアゼル)という言葉を拾うことが出来た。
令嬢マダマアゼルとか夫人マダムとか名につけて云ふ若い女、どれも先づ自身よりは容貌の好い独身の女を七八人も家に置いて居るおかみさんの身になつたなら
午後 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「——今日はボンジュール令嬢マドマゼル
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
マロニエの若葉に細かい陽光の雨がそそいでいるある日のこと、一人の令嬢マドモアゼル夫人マダムが、一人の日本婦人を誘って、軽い馬車をカラカラと走らせていた。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
長谷川道子も、友人の妻君も、電車に乗り合した令嬢ミスも、劇場の廊下で行き合う夫人マダムも、カフェーの女給仕ウェートレスも、年若くて或る種の容姿を具えている以上は、皆危険だった。
理想の女 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)