令嬢おあねえさま)” の例文
旧字:令孃
いや就きまして……令嬢おあねえさまに折入ってお願いの儀が有りまして、幾重にも御遠慮は申しながら、辛抱に堪えかねて罷出まかりでました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東西もわきまえぬこの荒野あれのとも存ずる空に、また、あの怪鳥けちょうの鳶の無気味さ。早や、既に立窘たちすくみにもなりましょうず処——令嬢おあねえさまお姿を見掛けましたわ。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、しばらく、一旦の御見、路傍みちばた老耄おいぼれです。令嬢おあねえさま、お見忘れは道理もっともじゃ。もし、これ、この夏、八月の下旬、彼これ八ツ下り四時頃と覚えます。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)